研究課題/領域番号 |
11440145
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小川 忠彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (60271607)
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研究分担者 |
塩川 和夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (80226092)
西野 正徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (70023679)
品川 裕之 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00262915)
中村 卓司 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (40217857)
大塚 雄一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (40314025)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 熱圏大気波動 / 大気重力波 / 電離層 / 熱圏 / 中間圏界面 / 大気光 / 高感度分光撮像 / ファブリ・ペロー分光計 |
研究概要 |
1.本研究課題により、平成12年7月より鹿児島県佐多岬で、平成13年10月にはオーストラリアのダーウィンで、それぞれ大気光全天カメラの定常観測を開始し、平成10年10月より北海道陸別町及び滋賀県信楽町で行われている全天カメラ観測とあわせて、4点の多点大気光同時定常観測を現在に至るまで継続している。また、平成11年8月には沖縄県国頭村で、平成14年8月には鹿児島県種子島で、全天カメラによるキャンペーン観測を行っている。 2.中間圏界面の大気重力波観測に関する成果は、a)日本列島及びオーストラリアにおいて、重力波の発生、伝搬特性の季節変化、緯度による違いを明らかにした、b)局在化した特異な重力波構造を発見し、それが重力波間の非線形相互作用により発生している可能性を示唆した、c)近接した2点同時重力波イメージング観測により、重力波及び大気光の発生高度を特定した。 3.中規模伝搬性電離圏擾乱(MSTID)に関する成果は、a)日本でのMSTIDの発生確率、季節変化を統計的に明らかにした、b)人工衛星との比較観測、背景風観測によるモデル計算との比較により、MSTIDが大気重力波ではなく電離層不安定に起因する電場構造として存在していることを初めて明らかにした、c)さらにオーストラリアと日本の同時観測により、この電場構造が南北両半球の磁力線を通して同じ構造をとっていることを初めて明らかにした。 4.大規模伝搬性電離圏擾乱(LSTID)に関する成果は、a)磁気嵐中に大気光の増光を伴うLSTIDを特定し、その変動が熱圏の極向き中性風によって引き起こされていることを、モデル計算、中性風の直接観測などにより示した、b)極域のデータと比較することにより、この極向き中性風の発生が従来の簡単な考え方では説明できないことを示した。 5.赤道域プラズマバブルに関する成果は、日本付近の緯度でもプラズマバブルが観測されることを示し、日本とオーストラリアの同時観測から、このバブル構造が赤道をはさんで対称になっていることを初めて明らかにした。 6.低緯度オーロラに関する成果は、平成11年から14年度において、11回の低緯度オーロラ観測に成功した。このうち平成13年3月31日と11月24日の低緯度オーロラは、北海道だけでなく滋賀県でも観測に成功し、科学機器で観測された低緯度オーロラの日本最南端記録となった。 7.中間圏、熱圏の中性風観測に関する成果は、ファブリ・ペロー分光器の定常観測化に成功し、MUレーダーによる風速観測との比較により、大気光の発光高度の時間変化を明らかにしている。 8.これらの成果は、以下に示す論文として出版しているので、詳しくはそちらを参照されたい。また、定常観測により得られたデータは、http://stdb2.stelab.nagoya-u.ac.jp/omti/ですべて公開し、共同研究の推進に役立てている
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