研究課題/領域番号 |
11440146
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
鵜飼 正行 愛媛大学, 工学部, 教授 (10036444)
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研究分担者 |
近藤 光志 愛媛大学, 工学部, 助手 (30304653)
村田 健史 愛媛大学, 工学部, 講師 (20274342)
清水 徹 愛媛大学, 工学部, 講師 (60196524)
大村 善治 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (50177002)
松本 紘 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (00026139)
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キーワード | 磁気リコネクション / 電磁流体 / 計算機シミュレーション / 磁気圏サブストーム / 太陽フレア / 宇宙プラズマ / 異常電気抵抗 / 衝撃波 |
研究概要 |
今年度は本研究の初年度に当たり、主に電磁流体シミュレーションによる研究成果が得られている。現在、地球磁気圏サブストームや太陽フレアなどの宇宙プラズマカタストロフィ現象を理解する上で、磁気リコネクション(磁気再結合)を爆発的に発展させる物理機構を解明する事が長年の課題であり論争の中心となっている。この問題に対して、本研究ではより現実的な異常電気抵抗モデルを仮定し、高速磁気再結合過程の成長がその特性的パラメータにどのように依存するかを詳しく調べた。その結果、電流駆動型異常抵抗とリコネクション流との正帰還によって一種の非線型不安定性として爆発的に高速磁気再結合機構が発展しうることを示した。特に、異常抵抗が発生するための閾値が高いほど(即ち、通常の状態では発生しにくい状況ほど)いったん異常抵抗がトリガーされると、高速磁気再結合機構がより激しく成長することを示し、カタストロフィ現象をよく説明しうることを議論した。これらの結果をもとに、我々が提唱する自発的高速磁気再結合モデルの正当性を示した。更に、高速磁気再結合機構の爆発的発展に伴う磁気ループやプラズモイドの成長、磁気ループ前面に発生するファーストショックの特性を明らかにするとともに、電流駆動型異常電気抵抗の重要性を議論した。また、より一般的な非対称反平行磁場形状においても自発的高速磁気再結合モデルが有効であることを示した。この場合、急激な磁気リコネクションの発展に伴うflux transferの結果、非対称プラズモイドが成長して伝搬する。また、通常のスローショックの代わりに磁場の回転が伴う複雑な衝撃波が形成され、それは伝搬しながらスローショックと回転性アルベン波に分離することが本シミュレーション研究の結果初めて明らかになった。
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