研究分担者 |
木村 純一 島根大学, 総合理工学部, 助教授 (30241730)
赤坂 正秀 島根大学, 総合理工学部, 教授 (20202509)
飯泉 滋 島根大学, 総合理工学部, 教授 (80032639)
角替 敏昭 島根大学, 教育学部, 助教授 (50252888)
大平 寛人 島根大学, 総合理工学部, 助手 (60273918)
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研究概要 |
1.三波川帯および関連する変成帯のエクロジャイトおよび高圧変成帯の地質調査と変成岩試料採取のため,四国,紀伊半島の三波川帯,新潟県,中国地方の三郡帯,四国の黒瀬川帯などの現地調査をおこなった.四国中央部三波川帯では五良津東部岩体南方よりエクロジャイトからなる新たなテクトニック・ブロックの存在が明らかになった. 2.上記調査によって採取した変成岩試料について,偏光顕微鏡による岩石記載,X線マイクロアナライザーによる変成鉱物の化学組成の分析をおこなった.これらによって,上述の新に見いだされたエクロジャイトの形成経路が緑れん石角閃岩相からエクロジャイトへの累進変成作用によるものであることが明らかになった.このエクロジャイトと既知のエクロジャイトとの形成過程,メカニズムの比較検討をおこなった. 3.高圧変成岩中のざくろ石の微量成分化学組成をX線マイクロアナライザー,ICP-MSを使用して定性,定量元素カラーマップ分析をおこなった.その結果,三波川泥質片岩中のアルマンディンざくろ石にはNa,Y,HREE元素に顕著な累帯構造の発達することが明らかになった.いずれの元素においても核部の濃度が高く,マントル部へ減少する.マントル部にこれらの微量成分元素の濃度の高い細い帯が存在し縁部では再び低濃度となる.この微量元素の濃集した細い帯の成因について検討し,三波川累進変成作用が付加体深部で進行中にこれら微量元素を含む流体の大規模な浸透を考えた. 4.Sm-Nd,Rb-Sr,およびフィッショントラック年代測定のための鉱物分離を行った.また,微少部分in situ年代測定のための,マイクロドリル・サンプリング方を開発し,得られた資料の同位体測定を試みた.
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