研究概要 |
変型スピネル(Wadaslyite,Mg2SiO4)やスピネル(Ringwoodite,Mg2SiO4)は地球の上部マントル下部の遷移帯の主要構成鉱物であると考えられているが,Mgの一部をHで置き換えた含水変型スピネル相やスピネル相につき,その結晶構造におよぼす圧力の影響を調べた.1300℃,15.5GPaで合成された含水変型スピネル相や,1680℃,22GPaで合成された含水スピネル相の結晶構造を解析し,これらの相の構造中の水素原子の席は高圧下でも安定な席として存在することを明らかにした.構造中に存在するHの水素結合に関与していると考えられる酸素-酸素間距離は加圧によってもほとんど変化せず,含水変型スピネル相やスピネル相の構造中のHの席は高圧下でも安定な席として存在することが明らかになった.
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