研究課題/領域番号 |
11440163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
小島 秀康 国立極地研究所, 南極隕石研究センター, 助教授 (10113896)
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研究分担者 |
今栄 直也 南極隕石研究センター, 助手 (60271037)
野口 高明 茨城大学, 理学部, 助教授 (40222195)
野上 謙一 獨協医科大学, 物理学教室, 教授 (00103325)
寺田 健太郎 広島大学, 理学部, 助手 (20263668)
中村 智樹 九州大学, 理学部, 助手 (20260721)
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キーワード | 宇宙塵 / 南極宇宙塵 / やまと山脈 / ドームふじ |
研究概要 |
当研究の対象とする南極宇宙塵はJARE37によるドームふじ起源のものと、JARE39がやまと山脈で採集したものである。ドームふじでは生活水を作る造水タンクの底に溜まったヘドロを持ち帰ってもらって、この中から宇宙塵を拾い出す作業を行った。これまでに230個を越す宇宙塵を分離採集することに成功した。これらについてはまずSEMによる外形記載を行った。その結果、大気圏に突入したときに受けた摩擦熱の程度によって、1;ほとんど受けていないもの、2;わずかに受けているもの、3;中程度から重度に受けているもの、4;摩擦熱によって完全に融けたものの4段階に分類できることが明らかになった。このうち2の段階のものが58%と最も多く、3が28%とそれに続く。摩擦熱の影響をほとんど受けずに、本来の形と組成を有するものはわずかに1個しか見つからなかった。平均粒径とこの分類には明瞭な関係があり、粒径が大きくなるほど、熱的影響を強く受けている傾向があることがわかった。 JARE39では、1998年の11月から12月にかけて、やまと山脈周辺の3ヶ所で総計24回、総計36トンの氷を融解して、水をろ過してその中の固形物を採集した。ろ過にはそれぞれの回で10,40,100,238μmの4種類のフィルターを用いた。総計96枚のフィルターを冷凍した状態で持ち帰り、順次解凍して固形物をフィルターから採集した。このうち5回分について、それぞれのフラックスから宇宙塵の分離採集を試みた。その結果、それぞれの40,100μmのフラックスから数10から100を越す宇宙塵を発見できた。これらは順次記載を行ってゆく予定である。
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