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1999 年度 実績報告書

バイオマーカーと安定同位体による縁辺海への陸起源有機物の輸送と堆積記録の解読

研究課題

研究課題/領域番号 11440164
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

南川 雅男  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (10250507)

研究分担者 村山 雅史  高知大学, 理学部, 助教授 (50261350)
大場 忠道  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60013588)
キーワード日本海 / 古海洋 / バイオマーカー / アルケノン / ステロール / 炭化水素 / 15N / 13C
研究概要

本年度は、日本海で採取した柱状試料(KT94-15 PC-5)の分析を行った。試料中の有機態炭素、窒素濃度の分布から有機物濃度の高い暗色層の中身について詳しく検討した。北部日本海の約8万年間に出現した生物活動のエベントの規模を有機物堆積量とバイオマーカーの組成で記述した。それぞれの層に含まれる有機物のCN同位体組成、ステロール、フィトール、アルコール、炭化水素、ケトン分画の化学分析を行った結果から、暗色層と明色層の互層の生じるメカニズムについてつぎのような結果を得た。陸からの直接的影響を受けにくいこの海域でも、風送塵起源と見られる各種の炭化水素の出現が明らかになった。陸からの物質輸送と海水準変動にともなう塩分変化の両方の消長とにより、日本海の海洋環境はダンスガード・オシェガーサイクルに連動し、生物生産の高い時期と低い時期の繰り返すこと、さらに窒素同位体比が異常に軽くなるのが認められるLGM期に、特徴ある藻類やバクテリア起源のバイオマーカーの堆積フラックスが増加することが明らかになった。こうした結果を総合的に解析し、過去の日本海では表層の海水環境が比較的酸化的でありながら、風送塵の増加によって生物活動が加速され、暗色層が形成される時期、現代と同程度の生産性だった明色層形成期の2種類の海洋環境が交代していたが、最終氷期の最寒期のみには、表層水の低塩分化によって中層水以深で極端な水質の還元化を引き起こしたと推定した。過去8万年における日本海ではこの3種類の海洋環境で特徴づけられることを明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 南川雅男: "海洋におけるN^<15>分布解釈の再評価"Radioisotopes. 48. 657-659 (1999)

  • [文献書誌] Kerherve, P., Minagawa, M., Heussner S., and Monaco A.: "Stable isotopes (13C/12C and 15N/14N) in settling organic matter of the northwestern Mediterranean sea : biogeochemical implications"Oceanologica Acta. (in press).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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