研究概要 |
GC/MS分析法による現世堆積物中のジペプチドを検出する技術の開発を目指し、東京湾表層堆積物中より34種のジペプチドを検出した。この成果を基に、炭素質隕石中のジペプチドとジケトピラジンを分析し、世界で初めて隕石中にジペプチドが存在知ることを明らかにした。ジペプチド検出に用いた隕石は、マーチソン隕石と南極隕石Y-781198隕石であり、いづれの隕石中にもアミノ酸が比較的多く含まれていることが知られ、本研究目的には最適な隕石試料である。その結果、極めて微量ではあるが、マーチソン隕石中にはジペプチドとしてのグリシルグリシンが4pmol/g、ジケトペラジンとしてのグリシルグリシンが23pmol/g、Y-781198隕石中にはそれぞれ11pmol/g、18pmol/g存在することを見いだした。 さらに,隕石中で起きたポリアミノ酸の生成プロセスを明らかにするため、いくつかの試験管内における模擬実験を行った。特に、隕石有機物として存在、量の多い尿素とカルボン酸の加熱による新奇なポリアミノ酸生成経路を見いだした。
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