研究課題/領域番号 |
11440183
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 俊法 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (10192618)
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研究分担者 |
南部 伸孝 岡崎国立共同研究機構, 計算科学研究センター, 助手 (00249955)
高口 博志 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40311188)
SUZUKI Toshinori (Institute for molecular science) Okazaki national research institutes
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | フェムト秒 / 光電子 / 化学反応 / ピラジン |
研究概要 |
超音速分子線で極低温孤立状態に置かれたピラジン分子を、フェムト秒レーザーでコヒーレントに励起し時間発展する回転波束を生成し、その位相回復による波束復活を、光電子画像の強度と角度分布の変化から初めて明確に観測することに成功した。得られた結果を、先にFelker and Zewailがレーザー誘起を用いた回転コヒーレンス分光に対して提出した理論によって解析したところ、S1状態における波束復活は完全に説明することができたが、T1状態に関しては定性的な説明に留まった。スピン軌道相互作用の結果、一つのS1振電準位は20個のT1準位と結合している。したがって、これらのT1準位がわずかに異なる回転定数を持つ結果、把捉の復活がS1の回転周期程度では起こらないことを示しているものと考えられる。一方、このように時間に依存して変化する分子整列状態について、光電子角度分布を解析したところ、波束が最も強い整列状態を示している瞬間にのみ、光イオン化光の偏光に垂直に特徴的な光電子の放出が観測された。これは、ピラジンの二つの窒素を結ぶ軸方向に光電子が多く放出していることを示しており、π^*分子軌道の対象性を反映したものと解釈された。
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