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2001 年度 実績報告書

新しい骨格をもつ第9族元素クラスター錯体の合成とその電子構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11440194
研究機関岐阜大学

研究代表者

川村 尚  岐阜大学, 工学部, 教授 (40026125)

研究分担者 海老原 昌弘  岐阜大学, 工学部, 助教授 (80201961)
キーワードイリジウム / 金属-金属間結合 / ホスフィン / アルシン / サイクリックボルタンメトリー / ESR / DFT計算
研究概要

酢酸を架橋配位子とし一酸化炭素と塩化物イオンをエカトリアル配位子に持つイリジウム(II)複核錯体[Ir_2(O_2CCH_3)Cl_2(CO)_2]を原料として,この錯体の軸位にホスフィン,アルシンなどを結合させた化合物[Ir_2(O_2CCH_3)Cl_2(CO)_2L_2]を合成した.この内4種の化合物についてX線構造解析を行いIr-Ir距離がその配位子の違いによってアセトニトリル錯体の2.569(1)Åに比べて非常に長くなり,トリシクロヘキシルホスフィン錯体では2.6936(7)Åと約0.12Å長くなることがわかった.また,酸化還元反応性をサイクリックボルタンメトリーによって調べた.どの錯体も化学的に可逆な酸化波が確認され,その電位はアセトニトリルを軸配位子とする錯体の1.30Vから負側にシフトし,トリシクロヘキシルホスフィン錯体では0.21Vであった.酸化種は室温では約10分の半減期で分解するため,低温で電解酸化を行い,トリフェニルホスフィン,トリシクロヘキシルホスフィン,トリフェニルアルシンを軸配位子とする錯体のESRスペクトルを測定した.これらの錯体はそのg⊥とg//の値,およびそれぞれの超微細構造のパターンからそのHOMOはσ_<Ir-Ir>軌道であることが明らかとなった.ピリジン錯体はHOMOはδ^*軌道であり,ホスフィンやアルシンの強いσドナー性によりHOMOの軌道が入れ替わることが明らかとなった.Gaussian98プログラムを用いたDFT計算の結果モデル化合物[Ir_2(O_2CCH_3)Cl_2(CO)_2(PH_3)_2]および[Ir_2(O_2CCH_3)Cl_2(CO)_2(AsH_3)_2はHOMOがσ_<Ir-Ir>軌道となり実験結果を再現できた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] N. Kanematsu: "Preparation and structure of bis(μ^*acetato)dichlorodicarbonyldiiridium(II) complexes with group 15 ligands, [Ir_2(μ^*O_2CMe)_2Cl_2(CO)_2L_2](L=PPh_3, Pcy_3, P(Oph)_3, AsPh_3, SbPh_3), and ESR and DFT studies of electronic structure of their cationic radicals"Inorganica Chimica Acta. 323. 96-104 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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