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2000 年度 実績報告書

ピリジンスルフォナト錯体集合体の制御と発光及び磁性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 11440200
研究機関大阪市立大学

研究代表者

木下 勇  大阪市立大学, 理学部, 助教授 (80128735)

研究分担者 西岡 孝訓  大阪市立大学, 理学部, 講師 (10275240)
市村 彰男  大阪市立大学, 理学部, 教授 (50047396)
唐沢 力  大阪市立大学, 理学部, 教授 (90106336)
キーワードCu(I)クラスター / ピリジンスルフォナト錯体 / 複核Pd(III)錯体 / トリピリジントリスルフィド
研究概要

1.ピリジンチオーレトで架橋した2核錯体の内懸案であった、Pd(III)-Pd(III)錯体の結晶化に成功し数少ないPd(III)複核錯体の構造決定に成功した。更に多様な異性構造を持つPt(III/II)複核錯体についても、その反応性・構造・スペクトロスコピー間の関連を明らかにした。
2.2-ピリジンチオレートを酸化して得られるピリジンスルフォナト錯体が水素結合による集合体を形成することを見いだした。特に亜鉛の配位した錯体では発光現象が観測されるので構造との関連を検討した。
3.ピリジンチオレートによってクラスター化したCu(I)6核錯体は優れた発光特性を有している。特に10K以下の極低温では電荷移動型の励起状態、77K付近では励起状態でのクラスター形成と電荷移動型との平衡そして290K付近までは主に励起状態でのクラスターが安定化していることを見いだしている。更に500Kにいたるまで発光現象が存在することを確認しており、この温度では更にタイトな励起状態でのクラスターが存在することを見いだしている。この広い温度範囲での多様な発光現象は今後のd10系遷移金属クラスターの化学に大きな影響を与えると考えられる。この励起状態クラスターに基づく発光現象の発現には2-ピリジンチオールの6位にメチル基の存在することが必要であることを明らかにしている。
4.2-ピリジンチオールの環化したシクロトリピリジントリスルフィドの効率的合成法を確立して、効果的な遷移金属錯体の合成に成功している。この配位子はいままで広く用いられてきた、機能性配位子トリアザシクロノナンのピリジン型と言える新規機能性配位子である。この配位子は銅イオンに配位し、モノマーダイマーの平衡を成立させることを見いだしている。この配位へ移行に伴う光化学的挙動や、酸素取り込み反応など興味ある結果が見いだされつつある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Nishikawa: "Synthesis and X-ray analysis of Mn-Mo mixed metal oxide cluster with cubic framework"Chemistry Letters. 2000・11. 1342-1343 (2000)

  • [文献書誌] H.Shimomura: "Formation of mu(4)-Se-2 complex by the oxidative coupling of mu-SeH complex : double-site atomic inversion of the mu(4)-Se-2 complex"Journal of Organometallic Chemistry. 611・1-2. 386-391 (2000)

  • [文献書誌] K.Kitano: "Lantern-type dinuclear Cr(III)Pt-II and V(IV)Pt-II complexes bridged by pyridine-2-thiolate. Synthesis and characterization"Journal of Chemical Society Dalton Transactions. 2000・6. 995-1000 (2000)

  • [文献書誌] 木下勇: "錯体とグリーンケミストリー"Food & Food Ingredients Journal of Japan. 186. 4-10 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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