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2001 年度 実績報告書

ピリジンスルフォナト錯体集合体の制御と発光及び磁性の制御

研究課題

研究課題/領域番号 11440200
研究機関大阪市立大学

研究代表者

木下 勇  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80128735)

研究分担者 西岡 孝訓  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10275240)
唐沢 力  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90106336)
市村 彰男  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50047396)
キーワードチアカリックス[4]ピリジン / チアカリックス[4]ピリジン / トリポッド型配位子 / Cu(II)-炭素結合 / トリス(ピリジンチオラト)メタン / 銅錯体 / 発光特性
研究概要

環状のピリジン合成はきわめて困難であり、CH_2を架橋部分とした環状ポリピリジンは未だ合成されていない。本研究では、ピリジンを3,4,及び6個連結した環状ピリジンを合成した。特に3,及び4ピリジンの錯形成反応を検討した。これらはカリクサレンとの類似、及び骨格部分に硫黄を持つことよりチアカリックス[n]ピリジンと総称できる。今年度はチアカリックス[4]ピリジンの錯形成能について特に検討した。この配位子はポルフィリンのN4配位に相当した配位形式をとると期待できる。Cu(II)は、チアカリックス[4]ピリジン中に取り込まれ、平面4配位を形成する。この配位形式はカリックス[4]ピリジンとしては初めての例である。このテトラゴナル構造は更に架橋部分の硫黄にCu(I)が連結することによって、1次元構造をとることを見いだした。テトラゴナル配位は、硫黄原子の配位能力を増大する方向に配位環境を変形する。この配位環境は多くの金属を連結する新規配位場をあたえるものである。カリックス[3]ピリジンはMn(II), Fe(II), Co(II), Ni(II), Cu(II), Zn(II)すべてに対して、2つ配位し、6配位8面体構造を形成する。比較的大きなヤーンテラー効果の予想されるd^7, d^9であるCo(II), Cu(II)に対し、前者は歪みの少ない8面体構造を呈するのに対して、後者はアキシャル方向の短いテトラゴナル歪みを示す。チアカリックス[3]ピリジンの配位したCu(I)錯体の多くは強い発光を示すが、特に強い発光を示す錯体は連結部分の硫黄部分を通じて、2つのCu(I)が連結した構造を示す。テトラゴナル配位は、硫黄原子の配位能力を増大する方向に配位環境を変形する。この配位環境は多くの金属を連結する新規配位場をあたえるものである。カリックス[3]ピリジンはMn(II),Fe(II),Co(II),Ni(II),Cu(II),Zn(II)すべてに対して、2つ配位し、6配位8面体構造を形成する。比較的大きなヤーンテラー効果の予想されるd^7,d^9であるCo(II),Cu(II)に対し、前者は歪みの少ない8面体構造を呈するのに対して、後者はアキシャル方向の短いテトラゴナル歪みを示す。チアカリックス[3]ピリジンの配位したCu(I)錯体の多くは強い発光を示すが、特に強い発光を示す錯体は連結部分の硫黄部分を通じて、2つのCu(I)が連結した構造を示す。この連結構造の動的挙動をNMRによって測定し、Cu(I)-S結合のホッピングの存在することを見いだした。
新規トリポッド型の配位子、トリス(ピリジンチオラト)メタンは、末端の3つのピリジンが配位するのみならず中心のメタンの脱プロトンによって金属に配位する可能性がある。縮合配位子、ピリジンピリジニウムチオンを単離中に見いだされたこの配位子は水中で、ブロモホルムとピリジンチオールとの反応で効率的に合成できることを見いだした。Cu^1Brを出発原料として用いると、脱プロトンした中心メタンと三つのピリジン、更に臭素の配位した、配位形態をとる。この錯体はCu(II)に直接酸素の配位した珍しい構造を有しており、更に、ESRの測定より、dz2基底状態をとることを見いだしている。このことはCu(II)-炭素結合が比較的強いものであることを示している。
よりすぐれた光機能性の制御を目指し、置換ポルフィリン系の開発も行い置換ピリジン記による発光制御をも合わせて検討した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yuji Mikata: "Unprecedented Sugar-dependent in vivo Antitumor Activity of Carbohydrate-pendant cis-Diamminedichloroplatinum (II) Complexes"Bioinor. Med. Chem. Lett.. 11・23. 3045-3047 (2001)

  • [文献書誌] Yuji Mikata: "Sugar Pendant Diamines"J. Org. Chem.. 66・11. 3783-3789 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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