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1999 年度 実績報告書

呼吸類似酸化還元反応と共役したイオンの膜透過反応の解析と新規膜分離法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11440216
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

木原 壯林  京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 教授 (60161543)

研究分担者 吉田 裕美  京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助手 (40314306)
前田 耕治  京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 助教授 (00229303)
キーワード呼吸類似酸化還元反応 / 共役 / 新規膜分離法 / 呼吸-解糖反応 / 電子の膜透過反応 / イオンの膜透過反応 / 人工液膜系 / 一界面膜
研究概要

生体内で呼吸-解糖反応が進行するとき、生体膜では、酸化還元に起因する電子の膜透過反応に共役して高選択的なイオンの膜透過反応も生じる。本研究では、この共役膜透過反応に学んだ新規なイオン分離法の開発を目指した。そのために、酵素やタンパクを含まず、化学的性質や構造の確定している化合物のみによって構成された人工液膜系を実現し、そこでの膜透過反応を解析し、生体膜反応の基礎的理解を図った。
まず、キノン誘導体であるテトラクロロヒドロキノン(CQH_2)を含む1,2-ジクロロエタンを液膜(LM)とした人工液膜系を構築し、水溶液(W)中の酵素と膜中のCQH_2のW/LM界面酸化還元反応を、界面電位差と界面電流の関数として調べた。その結果、界面酸化還元反応は界面電位差に依存して3種の異なったものになること、W、LM中の生成物も界面電位差によって異なること、また、この酸化還元反応は界面イオン移動反応と共役して自発的に進行し、移動イオンの疎水性度によって、酸化還元反応を選択・制御できることが分かった。
次のような新規な膜透過反応の特性も解明した。一般に、膜透過反応とは、電荷(イオンや電子)の膜(M)を介した一方の水相(W1)から他方の水相(W2)への移動を意味するが、電荷がW1からMに取り込まれ、再びW1に放出される反応も、膜透過反応の1種と見なせる。後者は、生体内でもしばしば生じると考えられる。ここでは、W1/M界面の2地点に電位差を与え、W1→M→W1膜透過反応を実現し、その基礎的特性を解明した。また、この膜透過反応に伴って2地点の中間の地点でも電荷のW1/LM界面移動が生じること、およびその理由を電気化学の基礎理論に拠って明らかにした。
一方、膜をイオンが透過するとき生じる膜電位の振動についても、その機構の全容の解明に成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Kitatsuji: "Plutonium(III)-Ion Selective Electrode of Liquid Membrane Type Using Multidentate Phosphine Oxide Ionophore"Anal.Chim.Acta. 387. 181-187 (1999)

  • [文献書誌] 吉田裕美: "イオン対抽出分配比および分配比とイオン選択性電極電位の関係の基礎電気化学的理解"Review of Polarography. 45. 25-43 (1999)

  • [文献書誌] H.Ohde: "Redox Reactions between Oxygen and a Hydroquinone Derivative at the Aqueous/Organic Interface"J.Electroanal.Chem.. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] S.Kihara: "A Critical Evaluation of the Redox Properties of Uranium,Neptunium and Plutonium ions in Acidic Aqueous Solutions"Pure and Applied Chemistry. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] S.Kihara: "Biomimetic Charge Transfers through Artificial Membranes in Liquid Interfaces in Chemical, Biological and Pharmaceutical Application"A.G.Volkov, Mercel Dekker, New York.(印刷中). (2000)

  • [文献書誌] K.Maeda: "The Oscillation of Membrane Potential or Membrance Current in Liquid Interfaces in Chemical, Biological and Pharmaceutical Applications"A.G.Volkov, Mercel Dekker, New York.(印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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