研究概要 |
R.Walden博士らにより開発されたアクティベーションタギングの系を変異原として用い、ゲノムサイズ、エンハンサーの効果範囲を勘案して飽和変異プールの作成を行なった。今年度はコロンビア株を中心に約11,000超の独立なT2ラインを樹立した。なお、構築した形質転換植物ライブラリのうちランズバーグ株を親株としたものについてはかずさDNA研究所シロイヌナズナタグライン共同利用システムに寄託した。このプールの内約6000ラインについて、1ラインづつオーキシン応答に関する一次スクリーニングをおこなった。すなわち、芽ばえの水耕栽培をおこなって胚軸と根の成長に対するオーキシン耐性を調べた。同時に、芽ばえを垂直寒天プレート上で栽培し、胚軸と根の成長方向、屈地性、屈光性、フック形成を調べた。その結果突然変異体候補を多数単離し、現在二次スクリーニングをおこなって本当にオーキシン応答突然変異体であるかどうか調べている。既に確定したオーキシン突然変異体としては、1系統明瞭にオーキシン応答が異常な突然変異体を単離したが、これは相補性テストの結果axrlであることがわかった。また、hlslに酷似した変異体も単離したが、現在相補性テストで検定中である。候補変異体の中には不稔のものも含まれているが、これらについては野生型とかけあわせてヘテロで系統を維持できるように試みている。ただし、野生型とかけあわせても種子をつけない系統も存在する。
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