研究課題/領域番号 |
11440236
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐伯 和彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40201511)
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研究分担者 |
高橋 康弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10154874)
福山 恵一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80032283)
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キーワード | 膜蛋白質 / 窒素同定 / Fe-Sクラスター / 光合成細菌 |
研究概要 |
本年度は、Rnf複合体と関連するモデル蛋白質について以下の研究を行った。 1)分子標識付加R.Capsulatus Rnf複合体の精製 : C末端にhexaHis配列を付加した活性型のRnfBサブユニットを利用した迅速精製法の検討を行った。操作の大半は、今年度の予算により購入した嫌気性チャンバーシステムを用いて酸素遮断下で行った。まず、クロマロフォア膜からの可溶化条件を検討したところ、6種以上の界面活性剤のうち、1%(w/v)ドデシルマルトシドが最も高効率で安定した結果を与えた。可溶化物をNi-アガロースカラムにかけたところ、RnfBと共にRnfCサブユニットも吸収し、これらは100〜200mMのイミダゾールによって溶出された。次にセファクリルS-400を用いたゲル濾過を行い、可溶化物から少なくとも50倍以上の精製を行うことができた。しかし、強い疎水性のため樹脂自体への吸着が認められた。溶出条件をさらに検討する必要がある。 2)RnfDの膜配向性解析 : 膜貫通サブユニットのうちRnfDの親水領域12箇所に大腸菌アルカリ性フォスターゼ(PhoA)を融合させ配向性を調べた。その結果、RnfDはN末端とC末端を細胞質側に、分子中央領域をペリプラズムに露出する6回膜貫通蛋白質であることが示された。この結果に基づき、今後、サブユニットとの相互作用を調べる。 3)モデル鉄硫黄クラスター蛋白質の実体化 : 既にBacillus themoproteolyticusの[4Fe-4S]フェレドキシンの完全合成遺伝子を作製していたが、今年度はCys以外でクラスター結合能を持つと考えられるAsp への改変体3種、Cys14Asp,Cys61Asp およびCys14&61Asp を作製した。Cys14Asp 改変体はクラスターが[3Fe-4S]型に転換し、酸化還元電位が約200mV上昇した。他の改変体もin vitro の再構成系によってクラスターを挿入し得たが型については未同定である。
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