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2000 年度 実績報告書

脊椎動物の排卵における卵胞壁溶解機構

研究課題

研究課題/領域番号 11440240
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 孝行  北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80197152)

研究分担者 大西 淳之  北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40261276)
キーワード脊椎動物 / 卵巣 / 排卵 / 卵胞壁溶解
研究概要

排卵は、卵巣を包む最外層の固い被膜が溶解され卵胞内の受精可能な卵母細胞が放出される過程である。この卵胞壁溶解現象の実動因子として最も重要な分子がマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)であるという共通認識はすでにあるが、排卵MMPはまだ同定されていない。この年度では、(1)ラット排卵MMPの特定および(2)魚類における排卵MMP分子の探索を試みた。
当研究室において発見されたMMP(即ちMIFR)が、哺乳類の排卵で重要な役割を果たしているかどうかを検討するため、遺伝子発現について形態学的に精査した。その結果、ラット卵巣においては本遺伝子が恒常的に発現していること、さらに卵胞成長過程での発現分布の変化を追跡したところ、当初は卵胞の顆粒膜細胞に発現が見られるが、次第に外莢膜細胞層へと移行することが明らかになった。この新しい知見を基に、MIFRが排卵MMPとして機能するかどうかについてさらに解析を進める必要がでてきた。
今年度は、メダカ卵巣から新たにコラゲナーゼ、ストロムライシン、MT2-MMP、MT3-MMPおよびMT5-MMPに対応するcDNAクローンを単離した。またこの年度では、メダカ卵巣の「くりぬき卵胞を利用した試験管内排卵評価系」を導入して、排卵現象に直接関わる可能性をもつMMPの探索を行った。その結果、ゼラチナーゼA、ストロムライシン、MT2-MMP、MT3-MMPの4種を排卵MMPの候補となり得ることを明らかにした。
当初は両生類(Xenopus)を用いた排卵MMPの探索を実施する計画であったが、時間的制約のため手付かずに終わり、これは次年度の継続課題とする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kimura, A: "Expression and Localization of transcripts of MT5-MMP and its related MMP in the ovary of the medaka fish Oryzias latipes"Biochim, Biophys.Acta. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Kimura, A.: "Localization of bradykinin B2 receptor in the follicles of porcine ovary and increased expression of matrix metalloproteinase-3 and -20 in cultured granulosa cells by bradykinin treatment"Biol.Reprod.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Kihara, T.: "Identification of components of the intrafallicular bradykinin-producing system in porcine ovary"Biol.Reprod.. 62. 1160-1167 (2000)

  • [文献書誌] Matsui, H.: "Expression of gelatinases A and B in the ovary of the medaka fish Oryzias latipes"Eur.J.Biochem.. 267. 4658-4668 (2000)

  • [文献書誌] Kimura, A.: "Identification of porcine follipsin as plasma kallikrein and its possible involvement in the production of bradykinin within the follicles of porcine ovaries"Mol.Reprod.Develop.. 57. 79-87 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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