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2001 年度 実績報告書

緑色植物の葉緑体内構造の機能を探索する比較生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11440241
研究機関東京大学

研究代表者

野崎 久義  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40250104)

研究分担者 宮村 新一  筑波大学, 生物科学系, 講師 (00192766)
堀 輝三  筑波大学, 生物科学系, 教授 (90057563)
加藤 雅啓  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20093221)
キーワード葉緑体 / 遺伝子導入 / 分子系統解析 / rbcL遺伝子 / 機能推測 / 緑色 植物 / 微細構造 / RbcLタンパク質
研究概要

ピレノイドはCO_2固定酵素Rubiscoを主成分とする藻類が一般的にもつ葉緑体内構造で、その有無や数等が緑藻類では属や種の形態分類学的識別基準となっている。しかしながら、ピレノイド構造の多様性をもたらしている分子レベルの基盤は現在のところ全く不明な状態である。昨年度迄に、我々はピレノイドを欠く単細胞性緑藻Chloromonasとそれに近縁なChlamydo-monas計11株(クロロモナス系統群)のrbcLのアミノ酸置換数は他の主にボルボックス目から構成される"CW group"の約2倍であり特異的に高いことが示された。本年度はクロロモナス系統群内部のピレノイドの有無とrbcLのアミノ酸置換の関係を調査した。その結果、クロロモナス系統群内部のピレノイドを消失する系統群でRbcLダイマーの結合部位に関連する非常に高いアミノ酸置換が認められた。また、クロロモナス系統群の共通の祖先で高いrbcL遺伝子の非同義置換率/同義置換率が観察されたが、RbcLダイマーの結合部位に関連するアミノ酸置換はほとんど認められなかった。従って、クロロモナス系統群の共通の祖先でなんらかのRbcLに関連する自然選択または機能的制約の置換があり、その後、RbcLダイマーの結合部位に関する機能的制約の置換があり、Rubiscoの立体構造に影響してピレノイドの消失が起きたことが推測された。このことはピレノイドの有無がRbcLのアミノ酸配列に直接的に関連していることを示唆する。従って、クロロモナス系統群内部のピレノイドを有する株とピレノイドを欠く株のrbcL遺伝子をChlamydomonas reinhardtiiにパーティクルガンを用いて導入して、相同組みかえでC. reinhardtiiのrbcL遺伝子組みかえ体を作製した。その結果、有機物を培地に与えて組みかえ体が生育したが、どちらもrbcLの遣伝子発現が認められなかった。従って、より近縁なもの同士のrbcL遺伝子交換実験を実施する準備をしている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takano, H.: "The complete DNA sequence of the mitochondrial genome of Physarum polycephalum"Mol. Gen. Genet.. 264. 539-545 (2001)

  • [文献書誌] Nakazawa, A.: "Taxonomy of the unicelluar green algal genus Vitreochlamys (Volvocales), based on comparative morphology of cultured material"Eun. J. Phyol. 36. 113-128 (2001)

  • [文献書誌] Toda, K.: "The second serine acetyltransferase, bacterial-type O-acetylserine (thiol) lyase and eukaryotic-type O-acetylserine (thiol) lyase from the primitive red alga Cyanidioschyzon merolae"J. Plant Res.. 114. 291-300 (2001)

  • [文献書誌] Nozaki, H.: "Evolution of rbcL group IA introns and intron open reading frames within the colonial Volvocales (Chlorophyceae)"Mol. Phylog. Evol. (印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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