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1999 年度 実績報告書

水素を利用したシリコン中の高温点欠陥研究及び二次欠陥フリー単結晶育成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11450001
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

末澤 正志  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00005919)

研究分担者 深田 直樹  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90302207)
キーワードシリコン / 水素 / 点欠陥 / 原子空孔 / 自己格子間原子 / 複合体 / 電子線照射 / 急冷
研究概要

本研究では、高温点欠陥検出法として、水素・点欠陥複合体の光吸収スペクトル測定法を提案している。そこで、まず水素・点欠陥複合体を形成している水素の振動による光吸収線のピーク位置から、点欠陥の種類を決定する手法を確立するために、各種の不純物をドープしたシリコン単結晶に水素をドープして室温で電子線照射し、それらの光吸収を測定した。その結果、自己格子間原子1個と水素原子2個とを含む複合体が1987&1990cm^<-1>、原子空孔1個と水素原子2個及び水素原子4個を含む複合体がそれぞれ2122cm^<-1>及び2223cm^<-1>に光吸収ピークを持つことを見いだした。点欠陥の種類は、光吸収ピーク強度に対するあらかじめドープしてあった不純物の効果から決定した。また複合体に含まれる水素原子の数は水素、重水素同時ドープによる光吸収ピークの分裂から決定した。
次に、自己格子間原子濃度が高いと言われている炭素ドープシリコン結晶を、水素雰囲気中で高温熱処理後急冷し光吸収を測定した。水素・自己格子間原子複合体による1987&1990cm^<-1>ピークが観測されることを予想していたが、それに反して水素・原子空孔複合体による2223cm^<-1>ピークが観測された。この結果は従来信じられ、各種の実験結果解析に用いられてきた「自己格子間原子濃度と原子空孔濃度の積が不純物濃度に依存せず一定である」という仮説を否定する重要な結果である。そしてこの試料中の原子空孔形成エネルギーが約3eVと決定された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Suezawa: "Hydrogen-point defect complexes in electron-irradiated C-doped and high-purity Si"Jpn. J. Appl. Phys.. 38・6A/B. L608-L610 (1999)

  • [文献書誌] M.Suezawa: "The formation of H2^* by electron-irradiation of hydrogenated Si"Jpn. J. Appl. Phys.. 38・7A. L758-L760 (1999)

  • [文献書誌] M.Suezawa: "Thermal properties of H-related complexes in election-irradiated Si doped with H"J. Appl. Phys.. 86・9. 4865-4870 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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