研究課題/領域番号 |
11450003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾鍋 研太郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50204227)
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研究分担者 |
黄 晋二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50323663)
白木 靖寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00206286)
片山 竜二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (40343115)
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キーワード | III-V-N型窒化物混晶 / GaAsN / InGaAsN / InGaPN / InAsN / 巨大バンドギャッブボウイング / MOVPE / RF-MBE |
研究概要 |
最終年度となる本年度は、以下にかかげる成果を得た。 1.InGaAsN混晶薄膜の物性評価 有機金属気相成長によるGaAs基板上のIn濃度17%、N濃度2.3%までのInGaAsN混晶薄膜の、透過電子顕微鏡による微構造評価およびフォトルミネッセンスによる発光特性の評価解析を進めた。発光波長の温度依存性および励起強度依存性における特異な振る舞いが、混晶の不可避的な組成不均一性に起因する励起子の局在状態の効果であることを明らかにした。またN濃度の増加に伴う結晶欠陥の発生形態を明らかにした。 2.InGaPN混晶薄膜の物性評価 有機金属気相成長によるGaP基板上のN濃度3.2%までのInGaPN混晶薄膜において、フォトルミネッセンスによる光学的評価を進め、発光ピークの同定をおこなうとともに、GaP基板と格子整合する組成において発光特性が顕著に向上することを明らかにした。また量子井戸構造において井戸層厚に依存して、量子閉じ込め効果と励起子局在効果との競合の性質を明らかにした。 3.GaAsNおよびInAsN混晶薄膜のMB : E成長と物性評価 GaAs基板上のGaAsN混晶薄膜のMB : E成長において、N濃度4.5%までの成長を確認した。またN濃度2.4%までの薄膜で発光特性を明らかにした。さらにフォトリフレクタンス測定により、バンド端近傍における電子状態の詳細を明らかにした。またGaAsおよびInAs基板上のInAsN混晶薄膜のMBE成長を進め、N濃度2.5%までの表面平坦性に優れた成長を確認した。また発光波長のN濃度依存性は、N濃度の増加に伴う電子濃度の増加によるバンドフィリング効果と、バンドギャップボウイングの複合的な効果で決定されることを、電気伝導特性とともに明らかにした。
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