研究課題/領域番号 |
11450010
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
財満 鎭明 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 教授 (70158947)
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研究分担者 |
池田 浩也 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00262882)
安田 幸夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60126951)
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キーワード | CoSi_2 / エピタキシャル成長 / サリサイド技術 / 二段階成長法 / 反応機構 / 反応バリア |
研究概要 |
CoSi_2は、Si(100)上にエピタキシャル成長するシリサイドとして、エピタキシャルコンタクトやメタルベーストランジスタ等への種々の応用が期待されている。しかしながらその実現には、ピンホールの形成、異なるエピタキシャル方位面の存在、Si中へのスパイク形成等の問題を解決する必要がある。本研究では、Si-ULSIプロセスで要求される膜厚20nm以上のエピタキシャルCoSi_2膜をSi(100)上に形成するサリサイド技術を確立するために、Co/Si界面における反応機構を明らかにし、反応を支配する要因を究明する。本年度は、二段階成長法において重要な一段階目の極薄CoSi_2/Si(100)エピタキシャル膜の被覆率および平坦性を向上する目的で、GeおよびAlを中間層として用いたCoSi_2/Si(100)エピタキシャル成長を調べることによりその効果を明らかにした。 本年度に得られた主な結果を以下に示す。 (1)Ge吸着Si(100)表面においてCoSi_2をエピタキシャル成長させると、Si基板の{111}から成長したCoSi_2の双晶から成る島が形成されることを見出した。GeはSbとは異なりCoと化合物を形成するが、CoSi_2の生成熱がCoGe_2のそれよりも非常に低いため、GeとCoの反応はほとんど起こらない。すなわち、GeはSbの場合と同様にCo/Si界面で反応バリアとして働く。 (2)Al吸着Si表面におけるCoSi_2のエピタキシャル成長は、Alの吸着量により異なる。1ML以下では多数のCoSi_2(100)島が観察され、420℃の成長ではその被覆率は約80%を占める。それに対して3MLの場合には、Si原子の混在したCoAl膜がエピタキシャル成長する。このときの表面被覆率は約85%であった。またどちらの場合においても、Si基板との界面は原子レベルで平坦であった。以上の結果より、AlはCoSi_2(100)の被覆率向上に有効であり、また最適膜厚が存在することがわかる。
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