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1999 年度 実績報告書

光機能性有機薄膜多層構造の光ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 11450013
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

藤田 静雄  京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20135536)

研究分担者 川上 養一  京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30214604)
キーワード有機薄膜多層構造 / HOMOエネルギー / LUMOエネルギー / Alq / TPD / PBD / 光ダイナミクス / 発光再結合寿命
研究概要

本研究は、有機薄膜の多層構造による新しい光機能性の創出を目指し、その光ダイナミクスを明らかにすることを目的に行った。結果を以下に示す。
1.光機能の高い有機材料として有機EL材料を研究の対象に選び、MBD法による多層構造の作成技術の確立を図った。アルミニウムキノリノール錯体(Alq)、ジアミン(TPD)、オキサジアゾール(PBD)の各種多層構造を作製し、X線回折により厚さ50Å程度の多層構造が実現可能なことが明確になった。
2.UPS、励起PL、光吸収特性から有機薄膜材料のエネルギー状態を明らかにする手法を見いだし、HOMO、LUMOエネルギーの位置に関して、Alq/TPDが無機半導体のタイプII型に相当する構造を持ち、Alq/PBDがタイプI型に相当する構造を持つことが判明した。
3.Ti-サファイアレーザを光源とした超高速光物性評価の条件を確立した。すなわち、有機薄膜多層構造の劣化を抑えるため、無機半導体における測定に比べて1/10以下の光パワーでの測定が必要で、また比較的長い時定数を持つ緩和過程があるために、パルス繰り返し間隔を大きくとる必要があることがわかった。
4.有機薄膜多層構造の発光ダイナミクスは、HOMO-LUMOエネルギーの位置に関して同じタイプを持つ無機半導体多層構造における光ダイナミクスと基本的に同じであることが明確になった。すなわち、Alq/PBDの構造では、励起されたキャリアがAlqに局在し、高効率の発光に寄与することがわかった。
以上、有機薄膜多層構造におけるHOMO-LUMOエネルギー位置が光ダイナミクスに基本的な効果をもたらすことが明確となった。今後、このエネルギー位置をもとにした構造設計の手法を見いだし、新しい光機能性の創出に向けた研究の進展が見込まれる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Fujita,T.Nakazawa,M.Asano 他: "Luminescence dynamics of Alq3-based multilayer structures in terms of HOMO and LUMO energy discontinuity"Materials Research Society Fall Meetings Proceedings. (印刷中).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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