研究課題/領域番号 |
11450014
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梅野 正隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029071)
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研究分担者 |
益子 洋治 三菱電機(株), ULSI技術開発センタ, プロセス評価技術部長(研究者)
志村 考功 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90252600)
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キーワード | SiO_2 / シリコン / 酸化 / 薄膜 / 界面 / X線回折 |
研究概要 |
シリコンデバイスが開発されて以来、良くも悪くも酸素は重要な役割を果たしてきた。良質のゲート絶縁膜を提供してきたことはもちろん、ゲッタリングやウエハの機械的強度の増加という役割もになってきた。その反面、さまざまな形でシリコン結晶中に析出することによりゲーg酸化膜の絶縁耐圧の劣化の原因となってきた。シリコン結晶と酸素については今までにも多くの研究がなされてきたが、その関係については明らかになっているとは言い難い。例えば、シリコンの熱酸化機構については、最近になりlayer by layerで酸化が進行しているという幾つかの実験結果が得られ話題となっている。SIMOXウエハは、デバイスの高集積化、高速化、低消費電力化を可能にするSOI(silicon on insulator)ウエハとして最も期待されているもののひとつである。しかし、その埋め込み酸化層の形成機構は表面エネルギーの最小化の観点から大まかには理解されているが、構造と絡めた議論はされていない。 本研究では、熱酸化膜及びSIMOXウエハの埋め込み酸化層の界面形成過程に対し原子レベルでの描像を与えることを目的とする。これらの界面形成機構は、シリコン酸化物形成の基本要素であり、これらが解明することにより、酸素のシリコン結晶に対する反応の素過程を解明するだけでなく、シリコン結晶における成長導入欠陥の生成機構とその制御に大きく貢献すると期待できる。 本研究は、熱酸化膜及びSIMOXウエハの埋め込み酸化膜の界面形成過程を表面X線回折法によりその場観察しようとするものである。そのためには、X線の回折計に搭載可能な酸化チャンバーを作製する必要がある。昨年度、幸運にもSPring-8の表面界面ビームラインの建設が決まり、その装置の仕様に本研究に必要な機能を入れ、本年度3月に納入される。また、その予備実験ができるように、酸化チャンバーの設計、製作を行った。幾つかの試料の作製を行い、測定を行った。現在、それらの結果を解析中である。
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