研究課題/領域番号 |
11450016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
岩井 荘八 理化学研究所, 半導体工学研究室, 先任研究員 (40087474)
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研究分担者 |
野村 晋太郎 筑波大学, 助教授 (90271527)
青柳 克信 理化学研究所, 半導体工学研究室, 主任研究員 (70087469)
平山 秀樹 理化学研究所, 半導体工学研究室, 研究員 (70270593)
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キーワード | III族窒化物半導体 / AlGaN / Mg-ドーピング / スーパーラティス / 有機金属気相成長法 / 紫外レーザー / 原子位置制御 / 原子層成長法 |
研究概要 |
本研究では、不純物原子の原子層成長あるいは、原子ステップヘのライン状成長を行うことにより、2種類あるいは数種類の不純物の原子を最接近配置させてドーピングを行い、各不純物原子間の相関を増強することによって、不純物準位の可変範囲を広く自由に制御することを提案する。この原子位置制御コドーピング技法を用い、活性化エネルギーの小さいコドーピング準位をワイドバンドギャップ半導体において実現し、これまで不可能であった、高いキャリア伝導度を得ることが本研究の目的である。均一コドーピングでは2種類の不純物がそれぞれランダムに位置するため不純物間の平均距離が大きく、不純物原子間の相関が少ない。それに対し不純物を同一原子層上へ散布した場合、あるいは原子ステップ上のみに吸着させた場合では、不純物間の平均距離は小さく、異種の不純物間の相関を最大限エンハンスする事ができる。この効果を用い、シャローなコドーピングレベルを形成し、電子あるいはホールによる高い電気伝導を実現する。 今年度は、ホール伝導度が未だ得られていない、アルミニウムの組成が40%以上の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)へのマグネシウム(Mg)のドーピングを試みた。まず、既存の有機金属気相成長炉を用いてAlGaNバルクヘのMg-ドーピングを行ったときの結晶成長条件を把握し、基礎的なホール伝導特性を測定した。さらに、原子位置制御(レイヤーバイレイヤー)ドーピングの前段階とレて、周期2〜12nm程度のAlGaNスーパーラティスにMgドーピングを行いその効果を観測した。AlGaNスーパーラティスに加わる大きなピエゾ電界の効果で、アクセプタ準位が等価的に浅くなり、ホール伝導が向上する事を明らかにした。これにより平均アルミニウム組成30%のAlGaNの良好なホール伝導をはじめて得、それを用い、330nm帯LED発光に成功した。
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