研究概要 |
本研究は,光フィードバック系を用いた新しい時空間光情報処理技術の開発を目的として,時空間発展型光情報処理実験システムの試作,時空間情報固定技術の開発,時空間畳み込み情報圧縮技術の開発をめざす.本年度の研究により得られた成果・知見は以下のとおりである. 1.光フィードバック系の具体例として,2次元アフィン変換を適用した並列アフィン変換フィードバックシステムをモデル化し,TVフィードバック光学系に基づく実験システムを試作した. 2.並列アフィン変換フィードバックシステムにおける生成フラクタルパターンの形状制御の方法として,反復関数系母関数を考案し,その有効性を確認した. 3.並列アフィン変換フィードバックシステムによる2次元ランダムパターン発生法を検討し,シミュレーションにより,ストリーム暗号への適用可能性を確認した. 4.光フィードバックシステムの動作を安定させる手法として,空間分割操作と波長分離法を考案した.2次元ランダムパターン発生に適用し,その有効性を確認した. 5.不動点定理と区間演算法を用いた高精度演算技術において,計算精度と計算効率を決めるパラメータを導出し,それらの設定法を検討した. 6.時空間変換技術および空間周波数多重化方式を用いた空間次元圧縮・展開技術を併用した2次元空間画像と超高速時間信号間の変換方法を考案した. 7.光アドレス型空間光変器を用いた試作システムによる原理確認実験を行い,考案した変換方法の実現性を確認した.
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