研究課題/領域番号 |
11450030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片岡 俊彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029328)
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研究分担者 |
押鐘 寧 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40263206)
井上 晴行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30304009)
遠藤 勝義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90152008)
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キーワード | 光の近接場 / 走査型近接場光学顕微鏡 / SNOM / 微小共振球 / ポリスチレン微小球 / 進行波共振 / チタンサファイアレーザー / 極微細光加工 |
研究概要 |
本研究は、物質との接近効果が顕著に現れる可能性がある、μmオーダの微小球の共振状態に注目し、この微小球により光だけを検出系に用いたSNOMが、nm以下の空間分解能を達成できる可能性を探る。 原子、分子オーダで光デバイス表面や種々の材料表面の量子光学特性が診断できる、超高空間分解能のSNOM検出部 (プローブ) の開発を目指して、本年度は下記の事項を実施した。 (1)50μm程度のポリスチレン微小球に、石英基板の表面に生じるエバネセント波を結合させ、進行波による共振状態を起こすことができた。この共振状態は、レーザー波長を走査することで発生、維持させることが出来た。 (2)共振状態の観察、制御に必要な波長可変チタンサファイアレーザーの励起光源として、発振線幅が狭く、高出力で時間的な安定性の良い、LD励起高出力CWグリーン固体レーザーを購入した。この結果、チタンサファイアレーザー装置から出力されるレーザー光の特性 (時間的安定性、出力、発振線幅など) が、本実験に十分な状態となった。 (3)この微小球を、共振状態を維持しながら試料表面とnm領域まで近接させ、相互作用させる実験システムを製作した。このため、制御用パソコン、インチワームモータ、高圧電源、光学部品 (光ファイバ、非球面レンズ)などを購入した。 (4)微小共振球の先端に1.5μmのアクリル突起を付着させたプローブを開発し、共振状態を維持しながら、微細構造を持つ蒸着面などの試料表面を走査することにより性能試験を開始した。この試験結果によって、研究課題に挙げている 「近接場のナノ領域への局在化」 を評価できると考えている。次年度以降は、この試験結果に基づく、プローブの最適化を行ない、極微細光加工の可能性を探ってゆく。
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