研究課題/領域番号 |
11450034
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
進藤 大輔 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (20154396)
|
研究分担者 |
村上 恭和 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (30281992)
池松 陽一 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (10302217)
|
キーワード | 電子顕微鏡 / 電子線ホログラフィー / ホログラム / 構造解析 / 形態評価 / 局所構造 / 磁区構造 |
研究概要 |
平成12年度は以下の研究を行い、それぞれ重要な成果をおさめている。 1.電子線ホログラムからの位相像の再生 備品として購入したコンピュータシステムを用いて、電子線ホログラムに含まれる位相情報を高精度に抽出し、それを可視化する手法を開発した。具体的には、1024x1024ピクセルの大容量画像として記録したホログラムから、高速フーリエ変換を利用して位相成分を正確に抽出するシステムを構築できた。これら画像の演算に要する時間はごく短く、極めて汎用性の高い解析システムを作成することができた。 2.ホログラムフリンジの解析精度の向上 ホログラムの解析をより高精度化するために、電子顕微鏡の照射系レンズの励磁操作を行った。その結果、電子線の干渉性を高めるのに適した照射の条件が決定され、ホログラムのフリンジの可視度を格段に高めることができた。これによって、ごく微小な変化を伴うホログラムの解析や、厚い試料から位相情報を抽出する場合の精度を向上させることができた。 3.試料帯電の精密解析 セラミックスなどの絶縁体を観察する場合、電子顕微鏡観察中に試料が帯電を起こし、各種の実験に大きな影響を及ぼすことが知られている。本研究では、酸化物微粒子を用いて帯電がホログラムに及ぼす影響を詳細に調べた。その結果、試料の帯電に伴いフリンジに大きな変化が現れる効果を確認した他、絞りの挿入などにより本効果を抑制できることを見出した。また。フリンジに対する精密評価と電磁学的解析を組み合わせることで、帯電の量を定量的に求める方法を示すことができた。
|