研究課題/領域番号 |
11450040
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
進藤 裕英 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90111252)
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研究分担者 |
成田 史生 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10312604)
堀口 勝三 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30219224)
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キーワード | 弾性 / 電気破壊力学 / 数理解析 / 有限要素解析 / 材料試験 / 圧電セラミックス / 電気弾性相互干渉 / 知的・電子材料システム |
研究概要 |
本研究は、知的・電子材料システムの設計・開発及び信頼性・安全性評価に資することを目的に、先進圧電材料システムの破壊・変形挙動に及ぼす電場・波動場・温度場の影響解明に関する理論的・実験的研究を行ったものである。本年度は、昨年度までの理論的・実験的検討結果を踏まえ、解析モデル及び試験法の妥当性を詳細に検討し、問題点をまとめ、新たな解析・実験を行った。また、先進圧電材料システムに作用する実際の電場を想定した電気破壊・変形に関する複雑な現象を解明するため、数値シミュレーション法の高度化を図り、実験的検討が困難である場合の評価も行った。得られた成果を要約すると以下の通りである。 1.(1)円形圧電介在物が弾性母材に接合されている圧電複合材料を対象に、多数の界面き裂による面外せん断波散乱問題を理論解析し、動的応力拡大係数・動的エネルギー解放率・散乱断面積・電位の円振動数依存性に及ぼす界面剥離・圧電特性の影響を解明した。 (2)円板状き裂を有する圧電円柱の軸対称電気弾性解析を行い、応力拡大係数・エネルギー解放率・エネルギー密度に及ぼす電場・力学的負荷(ひずみ制御・応力制御)の影響を解明した。 2.引張を受けるき裂を有する圧電セラミックス帯板の電気弾性解析を行い、応力拡大係数・エネルギー解放率・エネルギー密度等の破壊力学パラメータに及ぼす電場の影響を解明した。また、き裂面電気的境界条件についても考察を加えた。 3.圧電セラミックスの改良型小型パンチ(MSP)試験(前年度実施)の有限要素解析を行い、破壊までに試験片に蓄えられるMSPエネルギーに及ぼす電場の影響を解明して、実験結果に理論的検討を加えた。また、圧子圧入・予き裂導入破壊試験結果と改良型小型パンチ試験結果を比較・検討し、電気破壊靱性評価に考察を加えた。 4.(1)き裂を有する圧電積層材料の機械試験(引張・ねじり・曲げ)を行い、一部興味有る結果を得て考察を加えている。 (2)圧電セラミックスのDT(Double Torsion)試験及び疲労試験に関しては、試験治具を製作し、一部実験を行って興味有る結果を得ている。
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