研究概要 |
本年度は,まず目標材料としてシリコンを選定し、これにEPレジストを塗布した上で、欠陥創生技術の開発を行った。 フィールドエミッション描画技術の開発 欠陥形状を模擬したEPレジストへの極微細線の作成技術の開発を行った。このため、SEMの電子銃をパソコンからコントロール信号によって任意の位置に位置制御できるシステムを開発した。これにより数十nm幅の極微細線の描画が可能であることが確認された。 イオンシャワー装置によるエッチング技術の開発 エッチング時やレジストの剥離、クリーニングの過程においてシリコン基板へのダメージが伴なうため、高精度のき裂形状創生のためには障害となることが考えられる。そこで、本年度は、窒素の活性イオンを高密度でレジスト面に照射することにより、低加速電圧でも高電流密度を実現できることを応用して、ダメージを最小限に押さえた高精度き裂形状創生技術を開発し、その問題点を検討した。その結果、イオンシャワーのエッチング時間と、き裂深さの関係、レジストが消滅してしまうまでの時間などの基礎的データを執することができた。これらの基礎データを基に、次年度より複雑な形状の創生や、き裂の干渉を生ずる形状についても検討を進めることとする。
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