研究課題/領域番号 |
11450046
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
幡中 憲治 宇部工業高等専門学校, 校長 (60026193)
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研究分担者 |
藤田 和孝 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (10156862)
小川 壽 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (10043887)
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キーワード | 多軸応力 / き裂先端近傍の局部ひずみ / き裂開口変位 / 構成式 / 弾塑性有限要素法 / 格子法 / 繰返し変形 / 銅 |
研究概要 |
欠き部、き裂先端部等の応用集中部は多軸応力状態にある。本研究では、先に研究代表者らが転位動力学の概念を用いて導出した構成式を用いて、き裂先端近傍の繰返し変形と繰返し応力-ひずみ応答を解析した。き裂先端近傍に生じたひずみに関する弾塑性有限要素法による計算結果は格子法によるひずみ計測結果と比較した。このとき格子点の変位量をレーザー顕微鏡による観察を通じて決定した。 (1)転位動力学の概念に基づいて導出した構成式を用いて、弾塑性有限要素法により荷重制御下および変位制御下の中央貫通き裂試験片の荷重一変位応答を算出した。計算結果は繰返し変形過程初期に生じる繰返し硬化挙動に関する試験結果とよく一致した。 (2)荷重制御下におけるき裂開閉口挙動に関する測定結果によると、き裂開口変位は初期の増加過程を経た後、繰返し変形の進行に伴って一定値に収束する傾向を示した。解析結果はこれを定量的によく表現した。 (3)荷重制御下におけるき裂先端近傍のひずみの測定結果によると、一サイクル中のひずみの変動幅およびひずみ集中の程度は繰返し変形過程の進行に伴い減少する傾向を示した。計算結果はこのような測定結果を定量的によく表現することができた。一方、計算された、変位制御下におけるき裂先端近傍のひずみは変位比RD=Oの条件下では繰返し変形過程中ほとんど変化せず、解析結果はこの計測結果と定性的に一致した。 (4)モードII型荷重下における小型引張せん断試験片のき裂先端前方極く近傍ではθ=0゜方向に極めて大きいひずみ集中域が生じるが、これはき裂先端から離れるにしたがってθ=-30゜方向に拡がる傾向にあることがわかった。
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