研究概要 |
(1)S45C鋼を用いてモードII,モードIII下の疲労き裂伝ぱ挙動を調べた. (2)ねじり疲労試験は円周き裂を導入した試験片を用いて実施し,ファクトリールーフの形成のメカニズムを調べた.詳細なフラクトグラフィ解析を行い,ファクトリールーフがモードIき裂の分岐によることを示した.き裂の分岐は導入した円周き裂の先端でのせん断によって発生した微小半だ円き裂から開始していた. (3)モードIIき裂のき裂伝ぱ試験は特別に設計したダブルカンチレバーの試験片を用いて行い,モードIIの疲労き裂進展限界値ΔK_<IIth>を測定した.ΔK_<IIth>>ΔK_<Ith>の関係はき裂がモードIIの下限界値に到達した後のモードIIからモードIへのき裂の分岐の条件を表すことが分かった. (4)組織変化はモードIIとモードIIIのせん断き裂の進展過程でき裂の先端に生じた.組織変化部の硬さHVはモードIIでHV=468,モードIIIでHV=678でありもとの基地組織のHV=175と比べて著しく高くなっていた.モードIIの進展メカニズムとモードIIIの進展メカニズムが本質的に同じであることが分かった.
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