研究概要 |
前年度に構築した情報ネットワークを用いた製品設計・生産におけるコラボレーションに関する,(1)コンカレント最適化,(2)コラボレーション,(3)設計解の創生という基本3課題の融合の基本構想を元に,実際的な事象に適用しうるシステムの開発を行った. まず,前年度に得られた基本システムを実践するためには,製品開発のできるだけ上流でシステマティックな開発方針を設計・生産に関わる集団的意思決定の効率化を図る上で重要な,意思決定のスケジューリング問題解決手法を開発した.これにより,これまで意思決定者が自らの主観により判断していた開発計画のモデル化が可能となり,より迅速に最適な製品を生み出すための方法が確立された.また,前年度に開発した諸特性の競合・協調関係に着目したシステム分析手法の展開研究により,様々なパターンの問題に対する統合的最適化手法を開発し,様々な実問題に適用することが可能となった.近年重要視されつつあるライフサイクルデザイン問題では,これまで一般的に用いられてきた意思決定手法では対処困難であったが,以上のように開発した新しい意思決定手法を利用し,さらに前年度に開発した分散並列最適化システムを用いることで,効率的な最適化ができることを確認した.また,ライフサイクルデザインではユーザー志向の意思決定を行うことが重要に成ることに着目し,QFDベースの設計者・ユーザー間のコラボレーションモデルを開発した. 以上により,設計・生産における製品に関する多分野にわたる情報を結び付け,統合するための実践的手法を開発することが出来た.
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