研究課題/領域番号 |
11450063
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大西 直之 中部大学, 工学部, 助教授 (60201977)
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研究分担者 |
難波 義治 中部大学, 工学部, 教授 (40029129)
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キーワード | フッ化カルシウム / 遠紫外レーザ / フロートポリシング / レーザ耐力 / 超精密加工 / 表面原子構造解析 / リソグラフィー |
研究概要 |
高輝度遠紫外レーザは次世代のリソグラフィ、光化学反応による物質のプロセシングおよびレーザ核融合の分野での応用が期待されているが、その波長域で光を透過する材料が限定されること、その材料を高精度に加工する技術が確立されていないこと並びにレーザ照射による光学素子の損傷が問題となっている。 本研究は、遠紫外の高出力レーザに使用できる高精度、高透過率、高レーザ耐力、高信頼性を有する平面光学素子を提供することを目的にする。そのため、上記機能を有する材料の選定、表面を創成する技術の開発、その表面の原子的構造評価、機能としての光学素子の透過率・波面歪み・レーザ耐力の測定を行う。 本年度は、高輝度遠紫外レーザ用光学材料として最も脚光を浴びているCaF_2単結晶をフロート・ポリシングによりレーザグレードの滑らかな面を得るための加工条件の最適化を行った。その結果、表面粗さ0.162nm rms、0.131nm Ra、1.10nm Ryの面を得た。また、各種CaF_2単結晶にNd:YAGレーザの第4高調波(波長:266nm)を照射することにより、材料内部のレーザ損傷のしきい値、すなわちレーザ耐力を測定すると共に、研磨面のレーザ耐力を測定した。その結果、米国製結晶の母材のレーザ耐力6.32J/cm^2に対し、加工表面でのレーザ耐力5.40J/cm^2が得られ、国産結晶の母材のレーザ耐力6.73J/cm^2に対し、加工表面でのレーザ耐力5.33J/cm^2が得られ、母材に比べ表面のレーザ耐力がそれぞれ85.4%、79.2%と低いことが確認できた。また、超高圧電子顕微鏡による加工面の原子構造解析を行った結果、測定中にチャージアップが生じ、高分解能での原子像の観察はしばしば困難となるが、その問題を解決できる目途が立った。
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