研究課題/領域番号 |
11450064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
設計工学・機械要素・トライボロジー
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
森 誠之 岩手大学, 工学部, 教授 (60091758)
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研究分担者 |
七尾 英孝 岩手大学, 工学部, 助手 (50312509)
朴 萬榮 岩手大学, 工学部, 講師 (30333751)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 境界潤滑 / セラミックス / フロン / トライボケミカル反応 / 表面反応 / 摩擦 / 摩耗 / 化学研磨 |
研究概要 |
セラミックス同士の摩擦面を機械的エネルギー場と考え、摩擦面における反応生成物をX線光電子分光法XPSを用いて解析するとともに、生成物の潤滑膜としての応用性を検討した。化学的に安定なセラミックスであっても、摩擦によりその表面が化学的に活性化し、雰囲気の気体分子と反応することを見出した。とくに、フロンHFC-134aと反応すると表面に金属フッ化物が生成することをXPSによる分析で検出した。この軟質な生成物が摩擦係数と摩耗速度を低下させ、潤滑効果を示すことが明かになった。 反応生成物はセラミックスの種類に強く依存し、イオン結合性セラミックスの場合は金属フッ化物が、共有結合性セラミックスの場合は有機フッ素化合物も生成することがわかった。潤滑効果は金属フッ化物の方が良好であった。 摩擦面での反応は摩擦条件すなわち摩擦速度および荷重に依存し、条件が厳しくなるほど生成量が増加するため潤滑性も向上した。しかし、反応が過剰になると化学摩耗のため摩耗速度が上昇した。すなわち、最適な条件があることを見出した。 反応気体の分子構造と反応性との関係を検討した結果、フッ化炭素に水素を含有する化合物が高い反応性を示すことを明らかにした。また、セラミックスの組み合わせによる反応性と潤滑特性との関係を検討し、ディスクとボールに最適な組み合わせがあることを見出した。 以上、摩擦面における活性の特異性を利用し、化学的には比較的安定なセラミックスとフロンとの反応を起すことができた。さらに、表面反応の生成物をXPSで解析することにより反応機構を解析した。さらに、生成物が潤滑性を示すと共にその構造が潤滑性と密接に関係していることを明らかにした。この成果は新しい気体潤滑法や硬質セラミックスの研磨法など新分野への応用が期待される。
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