研究分担者 |
山口 一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20166622)
加藤 洋治 東洋大学, 工学部, 教授 (00010695)
田村 善昭 東京大学, インテリジェント・モデリング・ラボラトリー, 助教授 (40217203)
杉山 和靖 東京大学, インテリジェント・モデリング・ラボラトリー, 研究員
市川 保正 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40134473)
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研究概要 |
液体中に存在する微小な空気泡が,周囲圧力の変動に伴い,急激に成長・崩壊するキャビテーション現象は,流体機械・機器の性能に大きな影響を与える.中でもポンプインペラ,舶用プロペラなど流体機器壁近傍におけるキャビテーションの崩壊現象は,機器の壊食(エロージョン)をもたらし,機器の性能に影響を与えるだけでなく,重大な事故にもつながり得る.本研究では,これらの背景に基づき,翼周りのキャビテーション流れについて,翼前縁近傍でのキャビテーション気泡の初生から成長,さらに翼面上での流れとの相互作用によるクラウドキャビテーションの形成・崩壊の全過程を統一的に解くための数値計算手法の開発,および,実験による計算結果の検証と詳細な現象の解明を目的とし,研究を行ってきた.数値計算手法の開発に関しては,急激な体積変化を伴う流れの計算において存在する数値計算上の不安定が困難な課題であったが,種々の新しい手法を取り入れることにより,2次元および3次元の両方の場合についてコードの作成に成功した.特に2次元の場合には,実用的な計算時間で,安定に計算を行う手法の開発に成功した.実験とに比較に関しては,定性的な一致を得,現象の本質を捉えることに成功した.ただし,翼面上でのキャビテーション域の大きさに関しては,他の手法同様,数値計算結果が小さく見積もる傾向があり,キャビテーション流れの既存の多くの数値計算手法において共通の問題であることが認識された.
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