研究課題/領域番号 |
11450074
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岡島 厚 金沢大学, 工学部, 教授 (80013689)
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研究分担者 |
上野 久儀 金沢大学, 工学部, 教授 (80019752)
溝田 武人 福岡工業大学, 工学部, 教授 (10038557)
岡野 行光 (株)原子力安全システム研究所, 技術システム研究所, 副所長(研究職)
木綿 隆弘 福岡工業大学, 工学部, 助教授 (40225107)
木村 繁男 福岡工業大学, 工学部, 教授 (70272953)
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キーワード | 流体関連振動 / 円柱 / 渦励振 / 流れ方向振動 / 高レイノルズ数 / 減衰質量比 / テーパ比 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
原子力発電所や石油化学プラントなど種々な工業プラント配管内の温度計周りの流れは、流れの剥離など複雑な渦構造を生じ、流力振動が生じる。流力振動には後流渦の周波数が構造物の持つ振動数に同期する流れ直角方向振動及び低流速域で生ずる流れ方向振動があり、特に後者は振動の起こり難さを表すパラメータの換算減衰率が極端に小さな場合に生じる振動現象である。さらに作動流体として水や金属ナトリウム流れの高密度流の場合には、構造物の質量比が極端に小さくなり振動が発生し易く、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏洩事故(1995年)はこの振動によるものである。一連の実験結果からスパン長さが無限の2次元円柱の流れ方向振動は対称渦と交互渦の二つの励振機構によって生じることを既に報告したが、さらに実際の温度計の形状である片持ち有限スパン長さ円柱やテーパ付円柱等の構造物の振動応答特性に関して、新設の回流水槽を用いて円柱を両端そしてアスペクト比の異なる有限スパン長さ円柱を片端弾性支持させた場合の流れ方向振動実験を行い、両者の振動挙動及び応答特性の相違を明らかにした。二次元円柱の応答振幅は(共振流速)/2を境にして二つの励振域が存在するのに対し、片持ち有限スパン長さ円柱では一つの比較的広い流速範囲の励振域が生じ、振幅の減衰率は二次元円柱の場合の第一励振域におけるよりも小さく、現象は交互渦の形成強さと密接に関連していることを示した。
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