研究課題/領域番号 |
11450075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
新美 智秀 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70164522)
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研究分担者 |
石田 敏彦 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50293650)
藤本 哲夫 名城大学, 理工学部, 教授 (00023028)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | ミクロスケール / 超希薄流 / 共鳴多光子イオン化法 / 面-分子干渉 / 自由分子流 / ファントム粒子モデル / 非平衡現象 / 温度計測 |
研究概要 |
平成12年度までにREMPIを用いた超希薄気体流計測システムを、現有のYAGレーザー励起の色素レーザーを中心とした光学系および2次電子増倍管とボックスカー積分器からなるイオン検出系により構成するとともに、温度計測法を確立した。また、色素レーザーの2倍波出力に現有のオートトラッキング装置を組み込むことで、広い波長範囲にわたって一定出力を維持することが可能となり、同時に広範囲のREMPIスペクトルの検出を可能とした。このシステムを真空中へ噴出する超希薄自由噴流の流れ場に適用し、温度非平衡現象を調査した。その結果、回転温度の凍結現象を明らかにするとともに、貯気室圧力が非常に低密度の場合には、回転エネルギー分布がボルツマン分布とならず、回転エネルギーの低い領域と高い領域でそれぞれ別のボルツマン分布を形成していることを明らかにした。分子線による面-干渉問題における固体表面にファントム粒子モデルの適用可能性を調査した。ファントム粒子モデルをアルゴン分子線がプラチナ表面に入射する問題に適用し、固体表面から散乱されたアルゴン分子の流束強度分布の反射角依存性、飛行時間(TOF)スペクトル、適応係数、吸着確率のシミュレーション結果が実験結果と良く一致し、このモデルの有効性が明らかとなった。さらに、アルゴン分子のプラチナ表面とのエネルギー交換は入射分子のエネルギーの垂直方向成分が大きく寄与し、接線方向成分のエネルギーは固体表面への入射前後でほとんど変化しないことも明らかにした。現在、超高真空を維持できる差動排気真空チャンバーを利用した面-分子干渉実験が進行しており、実験結果とファントム粒子モデルによるシミュレーション結果を相補的に融合して、面-分子干渉に関する精緻データの取得を目指す。
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