本研究では、まずエーテル系を軸に、カーボネート系、アセテート系あるいはアルコール系など各種含酸素化合物を対象として、その燃焼特性と炭素微粒子、NOx等の生成特性について系統的な検討を行った。 その結果、各種化合物の基礎的な燃焼特性である含酸素化合物の発熱量、理論空気量、断熱火炎温度、平衡NO濃度などの特性値は、含酸素化合物の種類に殆ど関係することなく、それらの酸素含有量割合によってほぼ一義的に決定され、酸素含有重量割合の増加にともなっていずれの特性もほぼ直線的に減少することが明らかになった。 また、通常のパラフィン系炭化水素に比較して含酸素化合物の単位発熱量当たりCO2排出量は、酸素含有割合の増加にともなって減少して低い値となるが、酸素含有割合がほぼ30w%以上では高い値を示すと共に、増加しはじめることが分かった。 一方、理論当量比で単位混合気重量当たりの発熱量は、化合物の種類に関わらずほぼ一定である。 間欠噴霧燃焼における炭素微粒子の生成は、通常の炭化水素の場合とほぼ同様に火炎中においてなされるが、化合物の酸素含有割合の増加にともなって直線的に減少し、量論比であってもその割合が38w%以上では全く生成されない。 この結果を実際の間欠燃焼機関に利用することによって、完全無煙で低NOx燃焼の可能性を実証した。 なお、含酸素化合物混合の炭化水素燃料において、その単粒の燃焼過程は基本的に粒径Dの2乗則に従って推移するものの、micro-explosion現象とそれによる粒径の一時的な急激減少効果とが発生することを見い出した。
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