研究課題/領域番号 |
11450084
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松井 幸雄 東京工業大学, 工学部, 教授 (50301172)
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研究分担者 |
木村 修二 日産自動車株式会社, 総合研究所, 研究員
小酒 英範 東京工業大学, 工学部, 助手 (50225413)
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キーワード | 燃料噴射系 / コモンレール / 間欠噴射 / 噴射率制御 / 着火遅れ期間 / 非定常拡散燃焼 / ディーゼル機関 / 急速圧縮装置 |
研究概要 |
応答性と噴射率自由度の優れている点に着目して、コモンレール燃料噴射系を基本に単発噴射化の改良、燃料噴射圧の向上を始めに進めた。単発噴射化は噴射コントローラーの改造と制御プログラムの開発によって対応した。また噴射圧力の向上は特設の増圧ユニットの新規開発によって対応した。このユニットの試作に先立ち、ユニットの作動を模擬するための数値シミュレーションを行ない、スリーブとバレル間の間隙量が重要な設計因子となることを事前に確認して設計に反映させた。さらに、燃焼実験のための急速圧縮膨張装置の設計と試作も併行して行なった。 燃料噴射系の単体試験にいれば、目標最大圧力200MPaに対して175MPaを至った。200MPaの実現には噴射弁ホルダの改造を要するが、これは次年度達成の見込みである。一方、噴射率制御に関しては、パイロット噴射、スプリット噴射、N回分割噴射が可能であること、及びスプリット噴射や複数回噴射では、セパレーション間隔の低減には噴射弁駆動信号波形の後半部のデューティー比制御が有効であることなどを確認した。 当該噴射系を急速圧縮膨張装置に組み込むと同時に、予圧サプライポンプ、急速圧縮膨張装置の駆動、燃料噴射等の同期を具現化するためのコンピュータ制御システムを完成させて燃焼の予備実験を実施した。これによれば、着火遅れ期間は噴射圧力の向上やノズル噴孔径の縮小につれて短縮されること、今回の実験範囲では噴射圧力の向上に対する着火遅れ期間短縮傾向は飽和領域に至っていないこと、パイロット噴射によると主噴射燃料の燃焼による燃焼器内圧力上昇率が緩和されること、分割噴射に呼応して複数回熱発生率が出現するものの、遅い噴射に対する熱発生率が緩慢になるなどの興味深い挙動が確認できた。 本研究の2年目に当たる次年度には、一層の燃料噴射圧力の向上検討と広範な実験範囲に亘っての燃焼解析実験を計画している。
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