研究課題/領域番号 |
11450087
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
城戸 裕之 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50037959)
|
研究分担者 |
中原 真也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20315112)
中島 健四郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (60037869)
|
キーワード | 予混合乱流燃焼 / 局所燃焼速度 / 火炎形状 / 選択拡散効果 / レーザトモグラフ法 / 不活性ガス |
研究概要 |
二年目となる本年度は、乱流燃焼速度特性と密接に関係している乱流火炎形状及び伝ぱ特性などの観測を、乱れの比較的弱い領域(乱れ強さ〜0.35m/s)に対してレーザトモグラフ法により実施した。具体的には、不活性ガスを窒素、アルゴンまたは二酸化炭素としたメタン/酸素/不活性ガス混合気に対して瞬間乱流火炎断層写真の撮影を、また燃料を水素、メタンまたはプロパンとした燃料/酸素/窒素混合気に対して連続乱流火炎断層写真の撮影を実施した。さらに、昨年度に続き燃料/酸素/不活性ガス混合気の乱流燃焼速度特性の検討も続行した。 まず、瞬間火炎断層写真から、不活性ガスの種類が火炎表面積など火炎形状に与える影響について検討を行った。その結果、同一層流燃焼速度であれば不活性ガスの差異によらず、火炎表面積はほぼ乱れ強さに支配されることがわかった。この結果と昨年度の乱流燃焼速度計測結果とから、比較的乱れの弱い流域においても従来層流燃焼速度であると考えられていた局所燃焼速度の値は変化していることが明白となった。さらに、不活性ガスにより火炎形状に差異が見られ、特に二酸化炭素添加混合気では、他の不活性ガスに比べ曲率半径の小さな火炎形状が観測された。 次に、連続火炎断層写真から、直接的に乱流火炎の局所形状と伝ぱ特性の関係を検討した。その結果、上述の乱流燃焼時の局所燃焼速度は、局所火炎形状特性に依存し、即ち未燃ガス側に凸な火炎部分が既燃ガス側に凸な火炎部分に比較してその値が大きくなる傾向にあること、さらに広い範囲に分布し層流燃焼速度の数倍に達するものもあることを定量的に明らかに出来た。この現象は、選択拡散効果により説明が可能である。 一方、層流燃焼速度を15cm/sに揃えた混合気の乱流燃焼速度特性を計測した結果、同一当量比では二酸化炭素添加混合気の消炎限界が、他の不活性ガスに比べ拡大することが明らかになった。
|