研究概要 |
昨年度に引き続き,2003年実施予定の宇宙ステーションにおける実験に向けて,Half-zone液柱内マランゴニ対流に関する実験及び数値計算を行った.シリコーンオイル液柱を上部(加熱)及び下部(冷却)ディスク間に形成して,液柱両端面間に温度差を実現し,温度差表面張力対流場を発生させる. 実験においては,(1)液柱径及びアスペクト比,流体動粘度をパラメータとして,振動流遷移及び遷移後のモード構造の解析,(2)高マランゴニ数付加時における流れ場の解析,更に(3)定常流場及び振動流初期における3次元PTVによる流れ場解析を行った.(1),(2)に関しては,昨年度用いた装置系により実験を行った.(1)において,更に広範なパラメータについてデータの蓄積を行った.また,温度上昇速度が臨界点に与える影響を調べた.(2)では,振動流遷移後の流れ場において,更に新しい振動流形態への遷移点が存在することを明らかにし,そこでの流れ場の解析を行った.この新しい流れ場においては,それまで液柱全体に分散していた可視化用トレーサー粒子が,1本あるいは2本の閉じたひも状構造上に集積した.更に(3)では,昨年度構築した光学系を改良し,直径5mmの液柱内対流の3次元速度場測定を実現した.本実験により得られた渦中心位置,渦近傍の粒子速度を数値計算結果と比較を行い,よい一致を得た. 以上の結果に関し,「界面現象,マランゴニ効果」に関する国際WS,第4回日韓熱工学合同会議,日本マイクログラビティ応用学会第16回学術講演会,宇宙利用シンポジウムにおいて成果を発表した.
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