研究課題/領域番号 |
11450106
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大西 利只 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10261330)
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研究分担者 |
新居 昭雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教務職技官
佐々木 憲一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70322831)
伊藤 雄三 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50001269)
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キーワード | 超伝導限流器 / 可変リアクタンス / 多機能限流器 / SVC機能 / 伝導冷却 |
研究概要 |
限流器は通常、短絡電流を所定の電流値に抑制できること、および速やかに再閉入できることの2機能が必須であるが、後者は全く未解決である。また、限流器は年間高々数回あるかないかの系統故障時のみ使用され、それ以外は極低温に冷却してただ待機しているだけである。そのため通常時にも利用できる有用な機能の付与は重要である。以上の背景の下に本年度は次の2課題に関して研究を行った。(1)磁気遮蔽型超伝導限流器の高性能化:速やかな限流動作および超伝導復帰が可能な限流器の設計指針を得る。(2)磁気遮蔽型超伝導限流器の多機能化:通常時に利用できる有用な機能の附与を目指す。 (1)項に関して、液体窒素浸漬冷却方式と伝導冷却方式の2種類の試作限流器により限流動作及びそれ以降における超伝導磁気遮蔽体リングの過渡特性、及び実際の運転状況のシミュレーション実験を行った。これらのデータを総合して速やかな限流動作および超伝導復帰が可能な限流器の設計指針を示した。また、限流動作開始から再閉入までの全プロセスにわたる限流特性シミュレーション法を開発した。(2)項に関して、高速可変リアクトル機能の発現に有効なアクテイブ制御法の研究を行った。可変リアクトルモードで連続運転中の超伝導薄板の温度分布を測定・解析し、可変制御の迅速性(応答性)、発生したリアクタンスの時間安定性、可変制御範囲等を明らかにした。本モードで運転中に短絡故障が発生した場合を想定して迅速な限流動作への移行、その解除、本モードへの再復帰に関する一連の特性について実験および解析を行った。これらのデータを総合して、通常時に利用できる静止型無効電力補償(SVC)機能を付与する設計見通しを得た。
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