研究課題/領域番号 |
11450107
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日高 邦彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90181099)
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研究分担者 |
熊田 亜紀子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (20313009)
松岡 成居 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10114646)
千葉 政邦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011140)
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キーワード | 環境 / 極低温 / 気体絶縁 / 送変電機器 / 放電 / 高気圧 / 空気 / 窒素 |
研究概要 |
本研究では,電力機器の絶縁に対する高いパフォーマンスを保ちつつ、環境への負荷も少ない極低温窒素ないし空気の極限的な活用を目指している。また、極低温窒素・空気の絶縁特性を明らかにして、それらを極限まで利用するガス絶縁方式を提案したいと考えている。大型実験容器を用いて、直径1m、高さ1m、室温から-180℃で温度制御可能な実験空間を作り、その中に各種形状を有する電極を配置して、実用機機で問題となる数10cm級の長ギャップ火花電圧や各種放電過程の測定を行った。また、絶縁特性を支配する放電機構を解明するために、非接触で電解分布の測定ができる気体カー効果測定システムの構築に取り組んだ。成果を以下に示す。 1.平等電界中の絶縁特性を球-球電極を用いて測定した。交流及び直流電圧を印加した場合の窒素及び合成空気の火花電圧は、極低温においてもパッシェンの法則に従うことを見出した。すなわち、温度によらず気体密度とギャップ長の積だけで絶縁破壊強度を評価できることが確認された。 2.不平等電界の絶縁特性を棒-平板電極を用いて測定した。窒素の室温及び極低温雰囲気中と、合成空気の極低温雰囲気中では、いずれもギャップ長の増大と共に火花電圧がほぼ比例的に増加する。一方、合成空気の室温雰囲気中のみ、他の条件に比べて火花電圧が高く、更にギャップ長が20cmを越える付近からギャップ長に対して飽和する傾向がある。コロナ放電を観測した結果、電極表面に密着するような膜状コロナが発生する場合に、火花電圧が高くなることを見出した。 3.気体カー効果による放電空間の非接触電界測定法について、それを可能にする光学系の理論解析を行った。現在、その解析結果に基づき光学系の設計を行い、必要機材の選定、組み上げを行っている。
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