サファイア基板上大面積超平坦ダイヤモンド単結晶薄膜の新合成法の確立

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11450118
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 吉本 護 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (20174998)
• 研究分担者: 垣花 真人 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50233664)
• キーワード: サファイア基板 / ダイヤモンド / 薄膜 / 超平垣 / レーザーアブレーション

研究概要

(1)-ダイヤモンド薄膜作製用パルスレーザーエピタキシー成膜装置の改造-
従来のダイヤモンド薄膜作製に利用されてきたCVD法やスパッタ法とは違い、ダイヤモンドの核形成機構を根本的に変えるために、本研究ではカーボン原料種のパルス的供給が可能な、パルスレーザーアブレーションを利用した成膜装置を作製し、本年度では、さらにマルチガス供給システムを付加した。パルスレーザーエピタキシー法により、紫外線レーザーを固体ターゲットに照肘して薄膜原料を飛ばしエピタキシャル(単結晶)薄膜を堆積した。
(2)-サファイア基板上へのダイヤモンド薄膜成長-
ターゲットには、高純度グラファイトおよび、よりダイヤモンド核形成を促進するために、Ni,やFeを混入したグラファイトを用いた。レーザーとしては、紫外光エキシマレーザー(既存装置)を利用した。原子レベルで平坦なサファイア基板上に、グラファイトをターゲットとしたパルスレーザーアブレーションにより、600℃以下の低温においてダイヤモンド薄膜成長を行い、最適な酸素圧力、基板温度、基板-ターゲット間距離、レーザー周波数の条件を探った。また、カーボンナノチューブといった炭素系ナノ構造の構築の可能性についても検討し、作製条件のgrowth windowを決定できた。
(3)-酸素中でのグラファイトアブレーション過程の分光学的研究-
酸素中での純粋黒鉛および遷移金属含有黒鉛のレーザーアブレーションにより生じる発光柱(ブルーム)の分光学的研究を行った。即ち、ブルームの時間分解、および位置分解の発光分光測定を行い、ダイヤモンド結晶成長に及ぼす酸素分圧の影響を定量的に調べるとともに、結晶成長機構の検討を行った。

研究成果

• [文献書誌] Kubo, Kurokawa, Inaba, Suzuki, takami, Miyamoto, Kawasaki, Yoshimoto, Koinuma: "Atomic Crystal Growth Simulation of Metal Oxide Materials"Trans. of Mater. Res. Soc. Japan. 26(3). 989-992 (2001)
• [文献書誌] Furusawa, Tashiro, Sasaki, Nakajima, Yoshimoto: "In situ analysis of the room-temperature epitaxial growth of CeO_2 Ultrathin films on Si(111) by CAICISS"Appl. Phys. Lett.. 78. 1838-1840 (2001)
• [文献書誌] Nakajima, Furusawa, Yamamoto, Yoshimoto: "Pulsed laser ablation of graphite in O_2 atmosphere for preparation of diamond films and carbon nanotubes"Diamond & Related Materials. (印刷中). (2002)
• [文献書誌] B.K.Moon, H.Ishiwara, Tokumitsu, Yoshimoto: "Characteristics of ferroelectric Pb(Zr, Ti)O_3 films epitaxialy grown on CeO_2(111)/Si(111) substrates"Thin Solid Films. 385. 307-310 (2001)
• [文献書誌] Nakajima, M.Furusawa, Sasaki, Yoshimoto: "Optical emission study of laser ablation plasma plume for the preparation of diamond films in oxygen"Transaction of the Mater. Res. Soc. Japan. 26(3). 1021-1024 (2001)