研究概要 |
1.n型6H-SiCへの高Alドープ層の低抵抗化 TMA/H_2(H_2ガス希釈したトリメチルアルミニウム0.2%)ガス濃度を10,100,200Torrの範囲で変化させ、KrFエキシマ・レーザーのエネルギー密度1.2J/cm^2、照射パルス数1000の条件でAlドーピングを行い、Al濃度分布を補誤差関数で解析した結果、次の結果を得た。 Alは表面領域0〜20nmと内部領域20〜100nmに分布し、分布形状は補誤差関数で近似できる。両分布ともTMAガス圧の増加と共にAl濃度は増加し、内部領域のAl分布深さは2【square root】Dtの値でガス圧10,100,200Torrに対して26.0,31.0,47.4nmとなった。又、内部領域Al分布の表面濃度換算値は、それぞれ9.0x10^<17>,4.5x10^<18>,2.7x10^<19>cm^<-3>と評価された。前年度の結果と総合して、エキシマ・レーザーの照射エネルギー密度、照射数によりAl濃度分布を限られた範囲において制御できることを明らかにした。Al分布領域が浅いためホール効果によるキャリア数の定量化、Alの電気的活性化率の算出は未だ実現していない。 2.pn接合ダイオードによる紫外線センサの試作 N濃度2.5x10^<15>のエピ層にTMA/H_2100Torr,8000パルスの条件でレーザー照射して作製したAlドープp型反転層上にレーザー照射によるTi/Alオーミック電極を形成しpn接合ダイオードを作製した。そのUV分光感度は波長330nmに最大値を持ち、外部量子効率は41%であった。本研究により、全ての工程を非熱処理法であるレーザー照射のみで作製したpn接合UVセンサーの作成が可能であることが明らかとなった。しかし、逆方向漏れ電流値が大きく(7μA@-5V)、微弱光を測定するためには表面の不活性化、デバイス構造等を検討する必要がある。 3.p型6H-SiCへのNのレーザー・ドーピング:約50eVのN^+イオン照射により作製したNドープ層をレーザー照射によりドナー化させることを検討したが成功していない。N^+/H_2混合イオン源によるNドーピングを引き続き検討している。
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