研究課題/領域番号 |
11450125
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
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研究分担者 |
中島 安理 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (70304459)
芝原 健太郎 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (50274139)
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キーワード | シリコン選択成長 / シリコン細線 / 低抵抗 / ジシラン熱分解 / 間欠照射 / シリコン窒化膜 / シリコン酸化膜 / 活性化エネルギー |
研究概要 |
本研究の目的は、薄膜の選択成長技術を用いて超微細トランジスタを形成する方法を開発することである。本年度は、Siの選択成長技術を開発し、25nm幅、25nm高さのSi細線をシリコン窒化膜側壁に形成させた。その抵抗率を測定した結果、抵抗率5.8×10^<-3>Ω・cmと低抵抗が得られた。従来のリソグラフィーとプラズマエッチングを用いる方法では、70nm幅、220nm高さのSi細線で抵抗率は2.6×10^<-2>Ω・cmとなっており、これに比べると、より微細にもかかわらず、約1/5の抵抗率が得られた。今回開発した方法では、プラズマ加工によるダメージがはいらないため、このような良好な結果が得られたと考えられる。以下、開発技術の詳細を述べる。ジシラン(Si_2H_6)を1×10^<-3>Torrの圧力で、間欠的に試料表面に入射させる。基板温度は410℃である。ガス照射していない期間は高真空に排気している。SiO_2表面では、Si_2H_6の熱分解速度は小さくほとんど膜成長は起こらないが、シリコン窒化膜表面では、SiO_2表面に比べSi_2H_6の熱分解速度が大きくSi膜成長が起きる。この違いは、シリコン窒化膜表面がSi_2H_6の熱分解に対して触媒的な働きをしているためと考えられるが、詳細は不明である。このシリコン窒化膜表面上での、Si膜成長速度の活性化エネルギーは0.9eVであることを実験により求めた。この反応モードの報告は、本研究が初めてである。本研究により、超微細トランジスタの多結晶Siゲート形成のための基礎技術が開発できた。
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