研究課題/領域番号 |
11450125
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
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研究分担者 |
中島 安理 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (70304459)
芝原 健太郎 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (50274139)
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キーワード | 多結晶シリコン / シリコン細線 / 微細トランジスタ / 低温電気伝導 / クーロン振動 / クーロンブロッケイド / 非線形電気伝導 / シリコンドット |
研究概要 |
本研究の目的は、ゲート長30nmの微細トランジスタの試作と評価である。平成12年度においては、選択原子層成長ではなく、他の試作の容易な(しかし実用的ではない)方法によって、微細な伝導経路を持つトランジスタを形成し、その電気的特性を低温で評価する方法を確立した。この研究の位置付けは、本研究の最終目的とする「選択原子層成長による微細トランジスタの形成法および評価法」を確立するための、予備的な研究である。Si基板上に熱酸化膜(厚さ150nm、ゲート酸化膜の役割)を形成し、引き続き伝導チャネルとなる多結晶Si(厚さ8nm)を堆積させ燐を熱拡散によりドープした。次に電子ビーム描画とプラズマエッチングにより、細線部分(最小幅100nm以下:伝導チャンネルとなる)と幅の広い電極部分(幅100μm:ソースおよびドレインとなる)を同時にパターニングし、トランジスタを形成した。低温(数ケルビン)での電気伝導特性を測定した結果、ドレイン電流対ゲート電圧特性に、微細なSi島の形成を示唆するクーロン振動特性が観測された。また、ドレイン電圧が0ボルト付近で電流が流れなくなるクーロンブロッケイド特性も観測された。クーロン振動の周期から、20nmの小さなSiドットが形成されていることが分かった。本年度確立した微細チャネルトランジスタの形成法および低温特性測定技術を利用して、平成13年度は選択原子層成長法により、集積化に適した超微細トランジスタの試作と評価を行う。
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