研究課題/領域番号 |
11450125
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
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研究分担者 |
中島 安理 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (70304459)
芝原 健太郎 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (50274139)
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キーワード | シリコン選択成長 / 原子層成長 / 自己停止機構 / 塩化水素脱離反応 / 2インチSiウェハ / ガスフローパターン / 金属触媒 / 光・熱触媒反応 |
研究概要 |
平成13年度は、(1)1成長サイクル当たり2原子層で自己停止的にSiを成長させる技術の開発と、(2)デバイスを製作するために、2インチ直径のSiウェハを用いて選択原子層成長(SiO_2上には堆積しSi_3N_4直上には堆積しない)を実現する研究を行った。以下、それぞれについて説明する。 (1)SiCl_4ガスとSi_2H_6の交互供給により、1成長サイクル当たり2原子層で自己停止的にSiを成長させる技術を開発した。自己停止のメカニズムは、HとClの強い結合力による。有る範囲の成長温度(355℃〜385℃)では、SiCl_4及びSi_2H_6の自己分解反応によるSi堆積は起こらないが、HとClの強い結合力のため、一層だけ基板表面に吸着したSiCl_4と、Si_2H_6の間にHCl離脱によるSiの堆積反応が起こる。この反応が起こるための基板温度およびガス圧力の条件を見いだした。この成果は、応用物理分野で最もインパクトファクタの高い学術雑誌Applied Physics Lettersに掲載された。 (2)デバイスを作製するためには、リソグラフィ、エッチング等の加工を行うために、2インチ直径のSiウェハを用いる必要がある(当研究室の場合)。これまでは、1cm角程度のSi小片を用いて原子層選択成長に成功していた。平成12年度までに、2インチ直径のSiウェハをセットできるSi原子層選択成長装置を組み上げていた。平成13年度は、この装置を用いて、2インチSiウェハを用いてSiの選択成長を試みた。しかしながら、装置が異なるため、十分な選択性が得られなかった。この理由は、装置の大きさが異なることによるガスフロー速度の違いと、小片用の装置では基板ホルダにTa板を用いていたため金属表面での光化学(ランプ加熱のため)・熱触媒反応が起きていたためと考えられる。しかし、基板表面を真空アニールすることにより新しい2インチ用装置でも選択性を改善することができた。
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