研究概要 |
(1)偏光分離素子 Si/SiO_2で構成され,波長1.52〜1.58μmで挿入損失0.2dB以下,消光比50dB以上と,すでに実用レベルに達している。 (2)チャンネル導波路 格子型,格子定数,あるいは格子方位などが結晶内の場所によって異なる「格子変調型フォトニック結晶」を考案し,新たな機能を開拓している。格子方位変調型チャネル導波路では,従来のプレーナ型導波路のようなコアのリッジ加工が不要で単一プロセスで作製できる利点がある。設計により特異な分散特性を持たせることも可能である。現在,コア,クラッドを二軸異方性媒質とみなした数値解析を進めている。 (3)多チャンネル型波長選択フィルタ フォトニック結晶を分布反射鏡に用いたファブリ・ペロー共振器構造により構成される。キャビティの実効的な光路長はフォトニック結晶の横方向の周期にも敏感に依存するため,面内の領域毎に格子定数を変えることにより透過波長の少しずつ異なるフィルタを1枚の基板上に一括して作製できる。 (4)機能材料との複合技術 発光材料で構成された3次元フォトニック結晶は,自然放出光による損失のないレーザ実現の可能性を持っており,フォトニック結晶の提唱以来,応用デバイスの一つにあげられている。本研究では,機能材料を取り入れたフォトニック結晶のデバイス応用の可能性を探ることを目的とし,発光材料であるCdSやInGaAlAs系化合物半導体を自己クローニング型フォトニック結晶と複合させるプロセスを考案し,基礎的な発光特性を評価した。
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