研究概要 |
本研究では,ミリ波フィルタ回路の低損失化,高集積化を果たすべく,主要回路素子として,高誘電率かつ低損失な誘電体材料で構成される誘電体共振器および誘電体線路を用いる。 研究計画初年度に当たる今年は、 (1)高誘電率材料で作製するミリ波用誘電体線路および誘電体共振器の伝送特性および共振特性の厳密解析法の開発。 (2)誘電体共振器の高効率励振方法の開発。 (3)回路に使用する各種誘電体材料のミリ波帯における特性評価。 等に取り組んだ。(1)では,ポイントマッチング法による電磁界解析手法を改良し,誘電体内外の共振電磁界を精密に算定しうる計算プログラムを開発した[1]。(2)では,フィルタリングのために設計される共振器に合わせて励振用外部回路を設計するための手法を考案した。また(3)では,これらの技術を複合して,共振器特性の測定結果から誘電体材料の電磁的特性を評価する方法を開発した[2]。 以上の研究成果は,次年度計画しているミリ波フィルタ回路の設計及び試作に活用される。 発表文献 [1]寺口,古神,苫米地,松村:"ポイントマッチング法による誘電体円板共振器の特性解析",電子情報通信学会マイクロ波研究会技術研究報告,MW99-1,pp.1-6,1999. [2]Y.KOGAM and K.MATSUMURA,"Characterization of dielectric materials in millimeter wave region using a Whispering Gallery mode resonator,"XXVI th URSI General Assembly Abstracts,p.10,1999.
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