研究概要 |
本研究では,人物像認識処理の系統的な検討を行うことにより,現代の機械主導型の自動化社会に決定的に欠けている"人間を優しく見守る目"の実現を目指し,特に人物像理解に不可欠となる人物像抽出処理方法を系統的に検討を行った.特別にセットされた人工環境下ではないごく自然な環境下,生活行動空間において人物像の確実な自動抽出を可能とするためにはどのように画像入力を行い,どのような画像処理技術を用いる必要があるかを系統的に調査した.長期的には,その検討結果にもとづき,ごく自然の状況のもとで人間を優しい目で見守り,人間の状態と意志を理解する賢い機構を実現することを目指した。本年度は本研究の最終年度にあたるため,これまでの研究を総合的に整理し,「人間を見守る暖かい目の要素技術」の確立を目指した.これを実現するために以下の事項を行った. (1)特徴抽出、モデル生成、対応づけの統合処理の開発 前年度までに開発された,「人物像の特徴抽出」,「モデル生成」,「対応付け」を統合的に処理する手法を検討した.ここでは入力映像として計算機に与えられる人間一人一人を対象として個人別の人物モデルによる認識を行い、その人物の状態、行動、意思を目的関数とする認識系の構築を試みた。 (2)実人物映像を用いた総合実験 前述の手法を大量の人物画像に対して適用し,本研究で開発された認識系の有効性を詳細に評価した (3)実アプリケーションへの実装 本認識系を計算機操作ユーザインタフェースに応用し,本技術が人間を見守る暖かい目として有効に機能するかどうかの検証を行った.
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