研究概要 |
我国の高齢者は遠からず人口の30%にまで達する見込みであり,高齢者は特殊な存在どころか人間社会の中の重要な部分となる.日常環境下で人間の存在,状態,意志を正しく読み取ることは,高齢者自身が快適に自分でやれる範囲を拡大すると同時に,介護者負担の大幅軽減にも非常に役立つ.また,高齢者にやさしい環境は全ての人にとって,安全で快適な環境でもある.そこで、本研究では,コンピュータを用いた映像処理により、人間を優しくかつさりげなく見守る目の機能の実現を目指し,人物像の認識・理解・生成に必要となる技術項目について研究を行った。 まず、人間のごく自然な活動環境において撮像された人物像にもとづく顔、目、口、手指、身体姿勢の認識理解を可能とするため、特に、顔画像内の目領域推定に関する手法、ICAを用いた顔画像の表現法と顔認識システムへの応用、物理モデルにもとづく人間の歩行動作の生成法、CTデータと連接球モデルを用いた人体正面像および側面像にもとづく背骨姿勢法、について研究を行った。 また、より正確な人物像認識理解を行うために必要となる精密な三次元人体モデルの作成・利用技術の蓄積を目的として、人体各部の三次元医用画像を対象とする様々な処理手法の研究を行った。 さらに、関連技術として、人間の手書き動作による実時間手書き数式認識入力技術、および、三次元人体モデルを用いた人物像の認識・理解・生成に不可欠となる高速画像描画技術についても研究を行った。
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